東京、4度目の緊急事態宣言スタート…五輪終盤に感染者1500人の危機

2021年7月12日 06時52分
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は12日から8月22日まで4度目となる緊急事態宣言に入った。宣言中には、東京五輪の開催期間(7月23日ー8月8日)がすべて含まれる。政府や東京都は、飲食店の酒類提供を再び停止し、人流の抑制を呼び掛けて感染の抑制を図るが、夜間の人手は減っておらず、インド由来のデルタ株の影響で五輪期間の終盤には1日当たりの感染者が1500人に達するのではとの懸念も出ている。(デジタル編集部)

東京で4度目の緊急事態宣言に入った初日に通勤する人たち=12日、東京メトロ・表参道駅で

◆繁華街に深夜まで人流

 「昨日、夜遅い時間まで記者会見を行わせていただいて、その後、私も都庁を出た後も繁華街などを見て回った。雨がそぼ降るにも関わらず、かなり多くの方々が出ていた。路上でバーを開いてるような方などもあった」
 東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、緊急事態宣言の発令が決まった8日夜に都内の繁華街を周り、人流の多さに危機感を感じたと明かした。
 小池氏が人流の多さを指摘したのは、今後東京の感染者が急激に増えると懸念されるためだ。8日に都のモニタリング会議で行われた専門家の報告によると、7日間平均の新規陽性者は、7日時点で約625人となり、約503人だった1週間前の6月30日と比べて1.24倍に。「感染が再拡大している」と指摘された。
 さらにこのままの増加が続けば、五輪開幕後となる3週間後の7月28日には今の1.91倍の1日当たり約1192人に。五輪が終盤に差しかかった4週間後の8月4日には今の2.36倍のおよそ1478人になり、「第3波における年始とほぼ同レベルの新規陽性者数になる」という。

◆短期間に急激に感染者増の恐れ

記者会見する小池百合子知事

 都内では感染力が強いインド由来の変異株「L452R」の感染割合が増え始めており「さらなる人流の増加やL452Rの影響によって増加比がさらに上昇すると予測値はさらに増加し、第3波を超える急激な感染拡大の危険が高くなる」という。また専門家からは、都内の深夜帯の滞留人口は第4波に突入した3月末頃と同じ高い水準にあり、「第4波よりも早いペースで感染状況が悪化する可能性がある」との見方が示された。
 つまりこれまで以上に短期間に急激に感染が広がることが懸念されている。
 こうした状況を受け、小池氏は「今まで以上に、不要不急の外出、緊急事態宣言へとまたレベルが上がるので、人流を抑制すること、特に夜間の人流を抑えていく必要がある」と訴えた。

◆「安全・安心な五輪」は可能なのか…


 
 ただこうした呼び掛けは、どこまで効果があるのか。既に緊急事態宣言は4回目となって「宣言慣れ」が指摘されるほか、今回は夏休みと重なっていて旅行などで人流の増加が懸念される。加えて首都圏では東京と、埼玉、神奈川、千葉の1都3県は無観客とはいうものの五輪が開催される。日本人選手が活躍すれば気分が高揚した人たちが夜に繁華街に繰り出したり、「五輪が開かれるのだからもう外出を我慢する必要はない」と考えたりする人が出てくる可能性もある。
 五輪について小池氏は「安全・安心な大会を開催をするということは極めて重要」とした上で、「世界の様相はコロナによって大きく変わった。そういう中でオリンピックという大会を、国際的な大会を行っていくということは、色々前例の無いことばかりになろうかと思う」と述べ、無観客開催についてこう語った。
 「(前回の東京五輪は)私自身、小学校だったが、テレビでアベベ選手が走り抜けるシーンをいまだに覚えている。今の放送技術などによって、色々な見せ方、楽しみ方を、東京だからできたという技術も工夫しながら作る。世界に同時に配信し、テレビを通じて繋がっていくことが、世界の連帯感、一体感を醸し出す、それらの意味で初めての大会になるのではないか」
 無観客で五輪を開催する一方で、人流を抑え、1日1000人超が懸念される東京の感染を抑止することができるのか。東京にとって大切な4度目の緊急事態宣言の期間が始まった。

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