人出減らない東京の繁華街 緊急宣言4度目で膨らむ「50代問題」接種進まぬ世代の入院増

2021年7月14日 06時00分
 新型コロナウイルスで4度目の緊急事態宣言が出た東京都で、繁華街の人出が減らない。1日当たりの新規感染者は増え続け、再び1000人に迫る。都が現在、最も警戒するのが、小池百合子知事が「50代問題」と呼ぶ50代の入院患者増だ。医療提供体制の逼迫の恐れも出始めている。(藤川大樹、小坂井文彦)

◆「通常営業しています」

 4度目の宣言初日の12日夜。東京・渋谷駅周辺では「お酒あります」「通常営業しています」などの看板を掲げて酒を提供する店が目立ち、多くの若者でにぎわっていた。飲食店のアルバイトの女性(18)は「(宣言の)効果はないと思う。遅くまで開けている店が多いから」と話す。新宿や上野・アメ横、新橋でも、多くの店が酒の提供を続けていた。
 宣言効果の薄れは鮮明だ。ソフトバンク子会社「Agoop(アグープ)」のデータを基に3度目の宣言下で最初の月曜日だった4月26日と、7月12日(月曜)の人出を分析すると、渋谷センター街、新宿駅、六本木駅、上野駅の人出は、午後3時、同9時台ですべて12日の方が多かった。感染拡大前の2020年1月18日~2月14日の平均値から人出が減った割合を比較した。

◆「宣言慣れ」政府も効果減認める

 人出が減らない背景には宣言慣れがある。若者からは「宣言を何回出しても変わらない」と声が漏れる。田村憲久厚生労働相は13日の記者会見で「(宣言が)長引くと効果が当然弱まってくる」とアナウンス効果の低下を認める。
 飲食店の協力も見込みにくくなっている。飲食店やホテル業界などの各組合でつくる東京都生活衛生同業組合連合会は12日付で要望書を都に提出。「酒類なしでは商売にならない。既に限界に達しており、さらに廃業が増加する」と訴え、協力金の増額や速やかな支給を求めている。

◆若い世代の重症者が常態化

 13日の東京都の新規感染者数は830人で、24日連続で前週と同じ曜日を上回った。1日当たりの直近1週間の平均は約804人。人口100000人当たりでみると40人超で、他県と比べて突出して多い。
 ワクチン接種が進んでいない世代で最も上の50代の重症者が増えている。重症者は12日より3人増えて58人。そのうち50代は17人で、70代と並んで最多だ。7日時点で、コロナで入院中の1673人のうち、50代は年代別で最多の355人(約21%)だった。
 これまで少なかった若い世代の重症者も常態化している。13日時点で10歳未満が1人、20代が2人、30代が1人。感染力が強いとされるデルタ株(インド株)への置き換わりが進んでいることが、影響している可能性がある。
 国際医療福祉大の高橋和郎教授(臨床検査医学)は「デルタ株は従来の株よりも伝播性が高く、重症化しやすいとされる。足元では40~50代の重症者が増えており、若い人でも重症化するということを認識してもらう必要がある」と指摘。ワクチンが行き届いていない若者や中高年世代で感染が拡大しており、65歳未満へのワクチン接種を急ぐよう訴えた。

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