政府迷走、反発を受けて酒取引停止要請も撤回 金融機関要請に続き

2021年7月14日 06時00分
記者会見する西村経済再生相=13日、東京・永田町で(小平哲章撮影)

記者会見する西村経済再生相=13日、東京・永田町で(小平哲章撮影)

 新型コロナ対策で酒の提供を続ける飲食店との取引を停止するよう政府が酒の販売業者に依頼した問題で、政府は13日、この要請を撤回し、業界団体などに文書で通知した。飲食店と取引する金融機関への要請を撤回したのに続き、販売業者の反発などを受け、政府は再び方針転換を迫られた。(森本智之、桐山純平)
 東京五輪開幕(23日)を目前に控え、なりふり構わないコロナ対策で政府の迷走が鮮明となった。
 内閣官房と国税庁は8日、文書で酒を販売する業界団体に今回の要請を通知した。政府はあくまでも「依頼」としていたが、国税庁が酒販売の許認可権を持つことから「脅し」などの声が上がり、全国小売酒販組合中央会が政府に抗議文を提出。「憲法の保障する『営業の自由』の点で問題だ」という指摘も出た。
 これらの要請については、政府は与党に事前に根回ししておらず、自民党の二階俊博幹事長が13日に「しっかり相談していただきたい」と苦言を呈すなど自民党からも批判が強まっていた。
 一方、要請を公表した西村康稔経済再生担当相は、販売業者への要請撤回を決める前の13日の会見で辞任を否定した。
 西村氏はその上で、菅義偉首相や加藤勝信官房長官らに、これら要請を事前報告していたことも明らかにした。緊急事態宣言の発出を検討した7日の会合で事務方が説明したが、特に議論にならなかったという。
 だが、西村氏が公表した翌9日午前、菅氏は「西村大臣が発言したかは承知していない」と述べた。政府は同日午後、取引金融機関を通じて飲食店の酒提供停止の順守を働きかける方針を一転して撤回しており、今回の要請の決定から撤回に至る経緯は不透明だ。

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