<山崎まゆみのバリアフリーで行こう>柴又(下) 粋な心くばり 寅さん記念館

2021年7月14日 07時27分

庭に面した毛氈の上は車いすで移動できる山本亭

 映画「男はつらいよ」が好きなら、何度でも訪ねたくなる「葛飾柴又寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」の館内はオールフラットで、通路幅は100センチ以上あります。多目的トイレも併設されていて、柴又散策に使える車いすの貸し出しもあります。
 1997年にオープンしてから3年ごとに心くばりがある改修をしてきました。例えば、「寅さんの生い立ちコーナー」の6台の映像は、車いすに座ったままで見やすい位置に設置されています。

寅さん記念館の映像モニター=いずれも東京都葛飾区で

 実際に映画で使われた「くるまや」のセットや寅さんが持っていたトランクの中身や撮影台本など、資料が展示されており、どの場所も気兼ねなく、寅さんの世界に浸ることができます。「2022年の改修では点字の館内マップを制作する予定です」(統括責任者・横山秀一郎さん)
 「男はつらいよ」の世界を堪能したら、エレベーターで上がり、敷地を1歩外に出ると、見晴らしがいい河川敷が広がります。水辺の風景に爽快な気持ちになります。
 目の前の柴又公園の緩やかな傾斜の坂を下りて、道を渡ると、洋風の長屋門に出ます。
 ここが近代和風建築と純和風庭園が残る「山本亭」です。玄関までの行程も車いすでスムーズに移動。玄関脇のスロープで入ると多目的トイレがあります。ここで山本亭スタッフが車いすの車輪を拭いてくれます。
 赤い毛氈(もうせん)を行くと、書院造り風の母屋に繋(つな)がり、その先には約890平方メートルの庭園が広がります。見事な庭は「花の間」の床柱を背に眺めるのが最も見栄えがします。池を中心とした木々の植え込みの奥の築山から滝が流れていて、水音がなんとも涼やか。
 畳の間は車いすで入ることができませんが、庭に面している赤い毛氈はOK。庭を眺めながら抹茶やぜんざいもいただけます。すべてを忘れさせてくれるような清浄さがここにはあります。 (温泉エッセイスト)
<メモ> 「葛飾柴又寅さん記念館」「山田洋次ミュージアム」 一般500円、シニア400円、小中学生300円。(電)03・3657・3455
 「山本亭」 一般、シニアとも100円、中学生以下無料。寅さん記念館との入場セットは合計金額から50円引き。(電)03・3657・8577
 両施設とも障がい者手帳を持つ方は無料。毎月第3火曜(12月は第3火・水・木曜)休館

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