<曇りのち晴れ>だまされても…

2021年7月15日 07時28分
 「オレオレ詐欺」になぜだまされるのか。長い間、警察取材をしてきたが、いまひとつ、腹に落ちる理由が見つからない。
 先日、詐欺被害に遭った高齢者からの相談を受けている千葉県成田市の長寿院住職、篠原鋭一さん(76)から意外な分析を聞いた。
 「親族からひどいことを言われる。『なんで相談しなかった』『新聞やテレビで注意しろって言ってるだろ』と。だけどね、お年寄りは家族の役に立ちたかったんだよ。それこそが被害に遭う理由なんじゃないか」
 篠原さんは「親族のなかで自分が役にたっているという自己肯定感が低い人こそだまされる」と説く。詐欺と疑いつつ、「役に立ちたいスイッチ」が入ってしまうと、理性が働かなくなる瞬間があると。何人もの被害者の話を聞いてそう感じている。
 警察庁が3年前に実施した調査によると、犯人がなりすました親族は「息子」が7割を超えた。昨年の被害者の7割以上は65歳以上の女性だった。この数字の意味を深く考えている。(長久保宏美 59歳)

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