【詳報】池袋暴走事故 飯塚被告「踏み間違えた記憶は全くございません」無罪主張 検察は禁錮7年求刑

2021年7月15日 18時12分

◆14:00 真菜さんの姉「外出先で涙があふれ…」

 上原義教さんの長女(真菜さんの一番上の姉)の意見陳述を弁護士が代読した。
 ニュースで「2人が亡くなった」と聞いた。嘘であってほしいという気持ちでした。加害者への怒りが込み上げました。防ごうと思えば防げたのではないか。鉄の塊を運転するのだから、安全に運転する意識がないと事故を起こしてしまいます。絶対に許せない。
 事故からしばらく、心が壊れそうでした。私も子育てをしているので、一日中事故のことを考えるわけではありませんが、2人のことが思い出されて外出先で涙があふれることもありました。「なぜ真菜と莉子が亡くなったのか」とか「ひかれた衝撃はすごかっただろう」とか。真菜と画面越しにランチができなくなってさみしいです。

夏祭りを楽しむ松永真菜さんと莉子ちゃん(松永拓也さん提供)

 父はもともと腎臓を悪くしていて、母が料理に気を使っていました。母が亡くなってから、真菜がその役目を担っていました。父は事故の後、感情の浮き沈みが激しくなりました。(真菜さんの夫の)拓也君は私の想像を絶する絶望感を味わっただろうと思います。命を絶たないか心配していました。大切な2人を失っても生きなければならないことは、生き地獄だったことでしょう。裁判が終わって少し落ち着いたときに再び悲しみが襲ってくるのではないかと心配です。

◆事故に心から向き合って

 加害者にも家族がいると思います。事故によって2人の命以外にも、多くの人が人生を狂わされたことを分かっているのでしょうか。父も言ったように人間は誰でも過ちを犯します。月命日は手を合わせているというのも形だけという感覚でしょう。何を言っても加害者の心には届かないと思います。刑務所に入らないと気付かないでしょう。高齢だから収監しないということになれば、心を突き刺されたような感じです。加害者には事故に心から向き合ってほしい。刑務所には行って罪を償ってほしい。
 飯塚被告は、長女の意見陳述をうつむいたまま聞いていた。

◆14:10 真菜さんの妹の意見陳述

 上原さんの四女(真菜さんの妹)の意見陳述を弁護士が代読した。
 真菜は優しい性格で、私のわがままを聞いてくれました。真菜が事故に遭った当時は、妊娠9カ月でした。生んでからの方が辛かったです。夢で真菜が出てきていつもハグしてくれます。夢から覚めると私はいつも泣いています。ママになってから真菜と話がしたかったです。
 父は事故の後、話さなくなりました。何を考えているのか分からなくなりました。母は、くも膜下出血という病気で亡くなりましたが、真菜と莉子は犯罪で亡くなりました。「なぜ世界で2人が選ばれたのか」と考えます。報道でタク(夫の拓也さん)を見て「そんなに頑張らなくてもいい」と思います。以前はもっとリラックスした笑顔を見せていました。父は眠れないようです。東京から帰った父に裁判のことを聞くと「あの態度はひどい」としか言いません。
 大切なかけがえのない2人を失った悲しみを(飯塚被告に)伝えれば伝えるほど、傷ついてしまう。彼に対して、私は無になりました。

◆14:20 真菜さんの弟「まなねえ、一番頼りに」 

 真菜さんの弟に当たる上原家の長男が証言台に立った。真菜さんを「まなねえ」と呼び、「一番頼りにしていました」として、進路相談をしたことなどを語った。
 家族の中で「一番おしゃれ」だったといい、外出時の服装をチェックしてもらうと、ダメだしされることはなく、いつも「いいんじゃない」と自信をつけさせてくれたという。
 莉子ちゃんは「なかなか懐いてくれなかった」と振り返ったが、長男のギターに合わせて宇多田ヒカルさんの「ぼくはくま」やディズニーの「リメンバー・ミー」を歌ってくれたエピソードを披露。事故の数カ月前に、莉子ちゃんが1人で長男の部屋に来てくれるようになっていたという。
 飯塚被告に対する思いは多くを語らなかったが、「事故の後、人の運転が気になるようになりました」とし、運転免許の更新制度の改善を訴えた。
▶次ページ 松永さんの父母「息子たちの人生をめちゃくちゃに」

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