「あなたも人の子なら…」厳罰求めた莉子ちゃんの祖父、それでも飯塚被告に願うこと 池袋暴走事故

2021年7月15日 20時21分
 東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走し、松永真菜まなさん=当時(31)=と長女莉子りこちゃん=当時(3)=が死亡した事故の15日の刑事裁判で、意見陳述に立った真菜さんの父の上原義教さん(63)は被告人の責任を重く見て、「反省もしない加害者を許すことができますか」と迫った。しかし、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた飯塚幸三被告(90)は無罪主張を変えず、遺族たちが望むような反省の言葉は出なかった。それでも上原さんは、公判後の記者会見で、「彼が本当に反省して、判決を受け止めてほしいと思います」とわずかな期待を口にした。(福岡範行)

池袋暴走事故の刑事裁判の公判後の記者会見で、判決に向けた思いを語る遺族の上原義教さん(左から2人目)と、松永拓也さん(同3人目)=東京・霞が関の司法記者クラブで

 記者会見で、9月に予定される判決までの過ごし方を尋ねられた上原さんは「たしかに判決は出ます。でもどっちに転んでも喜べないし、2人が戻ってくるわけでもない」と述べた上で、飯塚被告の変化を望む思いを語った。無罪主張を貫く飯塚被告の心を変えるには、実刑が必要だろうという考えを明かしつつ、「人の心は人が変えきれない。もちろん裁判官でも変えきれないでしょうけども。でもそこに少し期待をしながら9月の判決を待っています」と話した。
 上原さんはこれまでも飯塚被告の主張に憤りながらも、過失を認めた上での深い反省の言葉を望む思いも語ってきた。6月の前回公判では、被告人質問に立ち「立派な仕事をされ、立派に生きてこられた」と飯塚被告の人生を尊重する発言もした。直後の会見で「過ちは誰にでもあるという話もさせてもらった。少しは響くかなと思ったんですけど」と意図を明かした上で、「私がバカでした」と語っていた。今回の公判の意見陳述では、最後に「飯塚さん。あなたも人の子なら、車のせいにせず、自分が犯した罪に向き合ってください」とも発言し、「せめて反省だけでもしてほしい。それが私の願いです」と締めくくった。

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