支給遅れ対策のはずが…国新設の協力金「先払い」優先で、東京都、未払い分の手続き後回しに

2021年7月17日 06時00分
 時短に応じた飲食店に対する協力金を先払いする制度の導入を巡り、東京都が、先払いの対象となっていない5、6月分の申請受け付けを遅らせることが分かった。国がこの制度を急きょ導入し、先払いの事務が新たに加わったためで、6月以前でまだ支払われていない分の支給そのものが遅れる懸念がある。先払い分がいつ支給されるかも分からず、飲食店の事業者からは不安の声が漏れる。(大島宏一郎、岡本太)

◆申請開始時期が逆転、7月分が5~6月分より先に

 協力金の一部を先払いする制度は、事業者から支給が遅いとの声が出ていたことから、東京都に4度目の緊急事態宣言を出すのに合わせて国が導入した。東京都は7月12日~8月22日の協力分のうち112万円を先払いすることにし、申請期間を7月19日~8月6日にした。
 一方、先払いを優先する代わりに、東京都は5月12日~6月20日に協力した分の申請期間を遅らせる。受付開始日が7月15日から26日にずれ、先払いと時期が逆転。支給も後回しにされる可能性がある。

◆「国の方針が急に横から入った」

 政府による先払いの導入は自治体への連絡なしに8日に決まった。都の担当者は「国の方針が急に横から入った。準備期間はかなりきつくなっている」と申請時期の変更を説明。支給時期については「できるだけ遅れないようにしたい」と述べるにとどまった。

◆飲食店経営者「資金繰り厳しい」

緊急事態宣言下の飲食店の現状について話す居酒屋を経営する男性。4、5月分の協力金の一部がまだ支払われていないという=東京都内で

 先払いの支給時期が不明なことに、東京・池袋で居酒屋2店舗を営む40代の男性は「資金計画が立てにくくなる」と戸惑う。これまでの入金に申請から2カ月ほどかかっているほか、4月、5月分の一部が振り込まれていないという。
 実際、東京都では4月12日~5月11日分の協力金を、まだ半分以上の事業者が受け取っていない。先払いの支給が加わると、さらにそれ以外の支給が遅れかねない。都の担当者は「(先払い以外の支給に)影響がでないように体制を強化した」と述べた。
 飲食店経営者でつくる「全国飲食業生活衛生同業組合連合会」で、専務理事の小城哲郎氏は「東京はテナントの家賃負担が重い上、協力金の支給に時間がかかり資金繰りが厳しい。(先払いの導入で)既存分も遅れないようにしてほしい」と訴える。

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