新型コロナ便乗詐欺、多発

2020年4月29日 02時00分
 新型コロナウイルスに便乗した不審な電話やメールが各地で相次ぎ、現金や個人情報をだまし取られる被害が起きている。マスクの販売や国の給付金の手続きをうたい、消費者の不安につけこむ手口が目立つ。専門家は「さまざまな不安がある中、だまされやすい条件がそろっている」として、警戒を呼び掛ける。 (河郷丈史)
 国民生活センターのまとめでは、二十七日までに全国の消費生活センターに寄せられた相談は約二万一千件。特に品薄が続くマスクに関連する手口が目立つ。

◆マスク販売装う

 東京都への消費生活相談では、七十代男性に「一箱六百円でマスクを販売する」というメールが届き、男性は住所やクレジットカード番号などを入力。後日、代金のほか二十万円以上が引き落とされたという。
 メールや会員制交流サイト(SNS)の書き込みからサイトに誘導し、個人情報をだまし取る「フィッシング詐欺」とみられる。
 同センターなどは、メールやSNSの書き込みをうのみにしない、心当たりのないメールは無視する、不審なサイトでカード番号を入力した場合、すぐカード会社に連絡することなどを呼び掛ける。国の布マスク配布に便乗し、保健所などを装って個人情報を聞き出す電話や、マスクを一方的に送り付ける手口もある。

◆給付絡む手口も

 国が一人当たり十万円を配る給付金などに絡む手口も多発。給付の発表直後の四月中旬、名古屋市の会社員男性(54)に、見知らぬアドレスから「政府は、次のサイトで1人当たり10万円の補助金を申請しています」などと記されたメールが届いた。翌日には同じアドレスからアンケートに答えれば「医療用マスク十個」を無料で提供するとのメールが届き、ともに文末にURLが。詐欺とみられ、男性は「許せない」と憤る。
 また、十万円が携帯電話会社を通じて給付されるという虚偽の内容で、手続きにURLのクリックを促すメールも登場。警視庁は文面を公開し注意喚起する。
 総務省によると、同給付金に関し、突然メールやSNSで問い合わせ、個人情報の入力や手数料を求めることはない。

◆ニセ電話で被害

 ニセ電話詐欺の被害も相次ぐ。静岡県では今月、七十代女性が息子を名乗る男が「大丈夫か」と電話してきたのをきっかけに、百五十万円をだまし取られた。
 消費者心理に詳しい神戸学院大の秋山学教授(54)は「不安や切迫感がまん延し、簡単にだませてしまう状況。さまざまな手口が同時多発的に起きている」と指摘。「外出自粛で高齢者らが自宅にいる時間が長くなったり、友人や家族と話す機会が減ったりしていることも、リスクを高めている」と分析し、「若い人も含め、誰もが被害に遭うおそれがあることを自覚して」と話す。
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 国民生活センターなどはホームページで事例や手口を紹介。局番なしの188にかけると、最寄りの消費生活センターにつながる。

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