<新型コロナ>体と体 距離保ち予防 コロナ広めない「ソーシャル・ディスタンシング」

2020年4月23日 02時00分

客同士の間隔を1メートル以上空けるよう呼び掛けたり、レジカウンターにビニールシートを設けたり

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人同士の体の距離を十分保つよう、各地で呼び掛けられている。「ソーシャル・ディスタンシング」「ソーシャル・ディスタンス」などと呼ばれ、国は二メートル以上離れることを推奨。小売店がレジ待ちの客の間隔を確保したり、職場で仕切りを設けたりするなど、さまざまな取り組みが進む。 (河郷丈史)
 聖路加国際大大学院の大西一成准教授(41)=公衆衛生学=によると、ソーシャル・ディスタンシングは公衆衛生学の用語で、ウイルスの感染拡大を防ぐため「人と人が物理的な距離を取る」戦略を意味する。
 具体的には、日常生活で人と「体の距離」を保ち、会話で飛沫(ひまつ)がかからないようにしたり、手などが当たらないようにしたりする、テレワークで接触を減らす、人が集まる場所に行かないことなどが挙げられる。
 密閉空間、密集場所、密接場面の「三密」を避けることもその一つ。飛沫を防ぐ仕切りを設けたり、物の共有をやめたりすることも広い意味で該当する。
 どのくらい離れればいいのか。国は三密を避けるために、「二メートル以上」を推奨。大西さんによると、会話による飛沫は二~三メートル飛ぶとされ、国の「二メートル以上」は目安という。
 世界保健機関(WHO)は「せきやくしゃみをしている人と、少なくとも一メートルの距離を保つ」ことを勧告。米国では六フィート(約一・八メートル)以上が推奨される。
 だが、くしゃみをすれば飛沫は三メートル以上飛ぶこともある。特に新型コロナウイルスの場合、感染し得る状態でしばらく浮遊しているとされ、換気も必要。大西さんは「距離を保つことは重要だが、二メートル空ければ安全とは言えない。過信は禁物だ」とくぎを刺す。
 一方、外出自粛が長期化し、多くの人がストレスを感じる中、心のつながりは離れないように促す動きも。WHOは最近、物理的な距離というニュアンスを強調した「フィジカル・ディスタンシング」に言い換え、発信している。
 「WHO神戸センター」(神戸市)医官の茅野龍馬さん(35)は「ソーシャル・ディスタンシングというと、疎遠になる感じがする。物理的な距離を空けても、社会的なつながりは保たなければならない」と説明。WHOの専門家も三月の会見で、インターネットやソーシャルメディアなどを通じ、人とのつながりを保つ方法を見つけるように呼び掛けた。

◆レジ待ち 立ち位置を表示

 コンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなどでは、レジ待ちの客の間隔を空けるための立ち位置を示すなどの感染対策を進めている。
 名古屋市名東区のローソン名東社台店では、客同士が一メートル以上空けるよう呼び掛けるポスターを掲示。レジに続く通路に立ち位置を示す青いテープを貼り、レジではビニールカーテンで客と店員の間に仕切りを設け、現金はトレーに置いてやりとりしている。
 企業が啓発する動きも。電機メーカーのシャープはツイッターの公式アカウントで、「SHARP」という会社名のロゴに「家」という文字をかぶせて表示して外出自粛を呼び掛ける。また、ドイツの自動車メーカーのアウディは、ロゴの四つの輪が一度離れ、再びつながる動画をホームページで公開し、「いまは離れて、心をひとつに。」とうたっている。

レジに並ぶ際に間隔を空けてもらうため、床に貼られた目印=いずれも名古屋市名東区のローソン名東社台店で

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