海外メディアもそろり始動 競技後の取材は?移動は? 不安の声続々…

2021年7月19日 06時00分

東京ビッグサイトに開設された報道の拠点、メインプレスセンターと国際放送センター=いずれも16日、江東区有明で

 東京五輪開幕が23日に迫る中、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)に設けられた報道拠点、メインプレスセンター(MPC)にも海外メディアの姿が増え始めた。競技取材から日々の行動までさまざまな制限に戸惑いつつ、新型コロナウイルス禍で行われる今回の五輪をどう伝えるか模索している。(小嶋麻友美)

◆取材体制の問い合わせに回答なし

 アクリルボードで仕切られた計700席のワーキングルームに、人はまだまばらだ。ブラジルの五輪・パラリンピック専門ウェブメディア、オリンピアダ・トゥードゥ・ディアの取材団5人は、10日前に入国。「(ホテルに待機する)最初の3日間は大変だった。コンビニに行くのも15分以内と制限があり、監視役のドアマンに入退出の時刻をチェックされたよ」とディレクターのフェルナンド・ガビニさん(44)は振り返る。

東京五輪・パラリンピックのメインプレスセンター

 競技開始後にどんな取材ができるかについても不透明さが残る。「(選手と報道陣が接する)ミックスゾーンの取材はどうなるのか、組織委員会に問い合わせているが回答が来ない」と肩をすくめた。

◆バスもタクシーもなく取材諦め

 1階の案内カウンターでは、専用タクシーの利用券を求める列ができていた。海外関係者は入国から14日間、公共交通機関を使えず、MPCや競技会場への移動は専用のバスかタクシーに限られている。タクシー券は1枚1万円で、1人14枚提供される。

専用タクシー券を配布するカウンターを訪れた海外メディア

 それでも取材がかなわなかったと話すのは、インドのスポーツジャーナリスト、アブヒジト・デシュムクさん(35)だ。15日、江の島ヨットハーバー(神奈川県藤沢市)で始まったセーリングの公式練習に行こうとしたが「バス路線はなく、タクシーも使えないと言われてあきらめた」。英語で予約可能なタクシー会社に、藤沢市を対象エリアとする社がなかったためとみられる。「これからさらに報道陣が増えた時、スムーズに移動できるのか不安だ」と話した。
 ビッグサイトを出ればいろんな飲食店があるが、海外メディアは飲食場所も会場内に限られている。MPCの食堂の食事メニューは現在6種類で、最も安いビーフカレーが1000円。自販機は、ペットボトル(500ミリリットル)のお茶が280円もする。

◆「海外メディアが増えてきたらどうなる?」

 さまざまな不自由にも、ブラジルの日刊紙フォリャ・ジ・サンパウロの記者レアンドロ・コロンさん(41)は「感染対策は重要だ。従うことに全く問題はない」と話す。気にかかるのは、五輪や海外関係者に対する日本全体の冷ややかな空気だ。
 「開幕が近づき海外メディアが目に見えて多くなったら、状況はどうなるだろうか。日本ではワクチン接種が進んでいないし、感染への不安はよく分かる。私たちも日本人の安全に責任があると考えている」

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