サッカー・南ア代表で選手団3人陽性…「バブル方式」の限界あらわ 日本戦(22日)への影響は

2021年7月20日 06時00分
 東京五輪の選手村で初めて確認された新型コロナウイルス感染者は、南アフリカ・サッカー男子代表の選手団にいた。外部と遮断する「バブル方式」を採用した選手村での感染は、感染対策の限界を露呈した上、クラスター(感染者集団)発生のリスクも伴う。感染経路が特定されない中、濃厚接触者となった南アの選手らと日本代表の対戦が予定されており、感染拡大に不安が広がる。(沢田千秋、原田遼)

◆「まさに検査の限界」

 「彼らは出発前、2週間の隔離と96時間以内に2度のPCR検査の陰性結果が必要だった。日本で陽性だったのは、陰性だった南アの検査がウイルスの潜伏期間中に行われたからではないか」。南ア選手団は18日、主席医官のコメントを公表し、感染が南ア国内だったとの見方を示した。
 最初の陽性者は14日の入国日と翌15日の抗原定量検査で陰性だったが、16日に提出した検体が陽性を示し、PCRの再検査で確定した。唾液を採取する抗原定量検査の精度は、鼻の奥の粘膜を採取するPCR検査に劣る。
 昭和大の二木芳人客員教授(感染症学)によると、感染から陽性判定が出るまでの期間は数日間で「特にデルタ株は感染力が強く増殖が早い」という。「南アの選手がルール通り、出発前に2週間隔離をし、96時間以内の2回のPCR検査も陰性だったのなら、機内で感染した可能性がある。ただ、無症状でウイルス量が少ない人はPCR検査でも陰性となることがある。まさに検査の限界と言える」と指摘する。

◆「選手村は安全か?」に「イエス」

 日本戦に際し、南ア代表の濃厚接触者は試合開始6時間前のPCR検査で陰性であれば、試合に出場できる見通し。国際オリンピック委員会(IOC)に新型コロナ対策で助言するブライアン・マクロスキー博士は19日、都内で会見し、「6時間で感染に至るほどウイルス量が増える可能性は非常に低い」と、「6時間」の根拠を説明した。
 今月に入り、五輪関係者の感染は約60人に上る。海外メディアから「選手村は安全なのか」と尋ねられ、マクロスキー博士は「イエス」と断言。「これまでのところは想定内。検査の目的は陽性者を見つけ、陽性者を隔離することだ」と強調した。
 閉鎖空間である選手村での感染判明でクラスター発生も懸念されるが、組織委は「プライバシーへの配慮」を理由に、南ア選手団の発表まで感染者の国名や競技を公表しなかった。二木氏は「各国選手団が個々に発表すると情報に齟齬が生じ混乱しかねない。選手村の2次、3次感染を防ぐためにも、組織委が一括して正確、迅速に発表すべきだ」としている。

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