五輪のスポンサー企業、消費者の批判にピリピリ CM見送り、パビリオン公開中止…問題続きでメリット乏しく

2021年7月20日 21時00分

各企業のパビリオンが建設されている「2020ファンパーク」エリア。開会直前だが活気は乏しい=20日、東京都江東区で

 東京五輪・パラリンピックの開会を直前に控えた20日、各スポンサー企業はCM放映の有無などをいまだ決めきれずにいる。五輪反対論が根強い中、CM放映見送りを決めたトヨタ自動車には賛同が広がったが、SNSなどを通じて批判の矛先が企業に向くおそれもある。消費者の声に敏感な企業は、開会直前まで対応に苦慮している。(嶋村光希子、坂田奈央)

◆「沈む船から逃げた」

 「常識的な判断」「企業として当然だ」。CM見送りや社長らの開会式欠席を明らかにしたトヨタに対し、一夜明けた20日のSNS上では、一定の理解を示す声が目立った。トヨタと同様に最高位スポンサーを務めるパナソニックも同日、社長の開会式欠席を表明すると、「沈む船から逃げ始めた」とやゆする意見がみられた半面、「賢明な判断」などの意見があった。
 一方、茨城県鹿嶋市の小学校で、同県内のサッカー競技を観戦する児童の保護者に「コカ・コーラ社が製造する飲料(の持ち込み)をお願いします」などとする通知を出していたことが判明。その内容がネット上に出回ると、市や日本コカ・コーラ社への批判が相次いだ。
 同社は取材に「当社が関与したかしていないかを含めて状況が分からず、コメントできない」と困惑する。SNS上では以前から「#五輪スポンサー不買運動」も続出しており、企業は消費者の声に敏感にならざるを得ない。
 開催直前でも詳細が決まらないスポンサー企業も少なくない。味の素は20日になっても、CMを放映するかは「もろもろの状況を見ながら検討しており、まだ決まっていない」と明かす。P&Gは東京・台場で既に建設済みだった化粧品ブランドのパビリオンの一般公開を中止にした。

◆「うまく距離を取る企業増える」

 「スポンサーのメリットがあるかと聞かれると言葉に窮する」。あるJOCゴールドパートナーの担当者は打ち明ける。別のスポンサー企業は「無観客も一般の人と一緒で報道で知った」と話し、組織委からの説明が不足する現状にも不満をにじませる。
 スポーツ文化評論家の玉木正之氏は「今大会でのスポンサーはメリットが全くないといっても過言ではない」と強調。企業がPR計画を縮小する動きには「五輪に近づくと社名に傷が付くと感じ取り、うまく距離を取る企業が増えそうだ」と述べた。

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