ワクチン「在庫」問題、国が改善に着手 配布先を市区町村から都道府県に 8月30日から

2021年7月21日 20時04分
 河野太郎行政改革担当相は21日の記者会見で、新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンの配分先について、8月30日以降分は市区町村から都道府県に改めると発表した。国が接種実績を迅速に把握するのが難しく、「在庫」の量を巡る自治体との認識の齟齬そごが混乱を招いたことを踏まえた見直しだ。

◆河野担当相「国より都道府県の方が対応できる」

 ワクチンは現在、市区町村に直接、人口に応じた量を配送するのが基本となっている。来月末からはまとめて都道府県に渡し、接種実績を勘案した配分調整を委ねる。河野氏は会見で、接種対象者の8割に当たる量の配送を10月10日までに終えられるという見通しを示し、「ここからは相当の微調整が必要になる。国が1741市区町村の調整をするより、都道府県が状況を見ながら調整する方が反応良く対応できる」と説明した。
 こうした対応の背景には、ワクチンの「在庫」の認識が自治体と大きく食い違ったことがある。政府は8月前半分から、住民に接種していない量が一定以上あるとみなした市区町村への配分を1割減らすが、現場からは「残っているのは2回目の接種の分だ」などと異論が相次ぐ事態に発展した。

◆それでも「タイムラグ」は解消せず

 もっとも、配分を都道府県に任せても、接種実績の把握にタイムラグが生じる問題は解消されない。医療機関や自治体による「ワクチン接種記録システム(VRS)」への入力は、数日分をまとめて行う例が多く、実態の反映には時間がかかるからだ。
 また、モデルナ製を使う職場接種や大学接種はVRSへの入力が遅くなりがちで、自治体はどれだけの住民が利用したか分からないため、ファイザー製の必要量をつかめないという課題もある。
 河野氏は「配分を決めるには職場や大学接種のVRS入力が必要になるので、急いでやっていただきたい」と呼び掛けた。(井上峻輔)

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