柔道の高藤直寿「息子に本物の金メダルを」 延期になった1年で技のバリエーション増えた

2021年7月22日 20時37分
高藤直寿選手

高藤直寿選手

 開会式翌日の24日には、各競技が本格的にスタートする。メダル量産が期待される柔道では、男子60キロ級の高藤直寿たかとうなおひさ、女子48キロ級の渡名喜風南となきふうな(ともにパーク24)が日本のトップバッターとして登場。頂点を目指して、畳に上がる。
 コロナ禍で高藤は2つのメダルに奮い立った。一つは昨年7月25日の練習後、突然首に掛けられた。「本当なら今日が金メダルだから」。所属の吉田秀彦総監督が恥ずかしそうに立っている。手作りの金メダル。「本当に優しいな、と。監督は照れくさそうでした」。気遣いに感謝した。
 自宅には数々のメダルが飾ってある。一番目立つ所にあるのは、2016年リオデジャネイロ五輪での銅。「一番忘れたい記憶だけど、あれがあったから今がある」。悔しさの象徴であり、稽古の原動力になっていた。
 昨年、運動会で金メダルを取った長男の登喜寿くんがメダル置き場を見て、問い掛けてきた。「あれ、なんで金じゃないの? こっちは金メダルだよ」。長男は小学生になり、父の職業やメダルの色を理解できるようになった。「よし、息子に本物の金メダルを見せてあげよう」
 延期になった1年で「確実に強くなった」。自粛期間中は走り込み、趣味である柔道の動画を見続け、どう稽古するかを考えた。練習再開後は、イメージを体現し、技のバリエーションを増やした。
 5年前の悔恨。吉田総監督ら周囲への恩返し。長男への思い。すべてを心に秘めて闘い、夢見てきた五輪の頂点に立つ。その時こそ、胸には本物の金メダルが輝いている。 (森合正範)

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