那須正幹さん死去 79歳作家、「ズッコケ三人組」

2021年7月23日 07時10分
 「ズッコケ三人組」シリーズで知られる児童文学作家で、広島での被爆体験を基に平和を訴えた那須正幹(なすまさもと)さんが二十二日、肺気腫のため死去した。七十九歳。広島市出身。葬儀・告別式は近親者らで行う。
 遺族によると、十六日に自宅で倒れ、救急搬送された。
 島根農科大(現島根大)卒。自動車のセールスマン、実家の書道塾の手伝いなどを経て、一九六〇年代後半から同人誌で作品を発表。七八年刊行の「それいけズッコケ三人組」が人気を集めて専業作家となった。
 短気でおっちょこちょいのハチベエ、気持ちの優しいモーちゃん、物知りで思慮深いハカセという小学六年の男の子三人が活躍する同作はシリーズ化され、累計発行部数が二千五百万部を超えるベストセラーとなった。
 シリーズは二〇〇四年に五十巻で一度終了。〇五年から四十代になった三人を主人公に再スタートし、一四年に広島市で発生した土砂災害を取り上げた「ズッコケ熟年三人組」(一五年刊行)で完結した。
 三歳の時、爆心地から約三キロ離れた広島市の自宅で被爆。「絵で読む広島の原爆」「折り鶴の子どもたち」など原爆に関する本も出版した。各地で講演して原爆の悲惨さを伝え、「九条の会」などの活動に尽力した。
 野間児童文芸賞や巌谷小波(いわやさざなみ)文芸賞などを受賞。日本児童文学者協会の理事長も務めた。他の作品に「ぼくらは海へ」「さぎ師たちの空」など。

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