「五輪開催 俺らにいいことひとつもない」 きょうから横浜公園立ち入り禁止 路上生活支援団体「公共の場閉鎖 必要性ない」

2021年7月23日 07時31分

23日正午から立ち入りが禁止される横浜公園 

 東京五輪の開催に伴い、横浜公園(横浜市中区)の立ち入りが二十三日正午から禁止される。公園内の横浜スタジアムで二十四日から、野球・ソフトボール競技が開かれるためだ。公園に寝泊まりしている路上生活者は一時的な移動を求められている。市は希望者を簡易宿泊所で受け入れているが、「路上生活を続けたい」と行き場が定まらない人もいる。(酒井翔平)
 「行き場所は決まっていないが、探すしかない」
 全面立ち入り禁止が間近となった二十一日夜、公園内で休んでいた七十代の男性はため息をついた。路上生活を始めた十年前からここで寝泊まりしているという。
 公園内の一部エリアは会場設営のため六月八日から一般利用者を含めて立ち入りができなくなり、市は公園で寝泊まりする人に一時移動の協力を呼び掛けてきた。近くの寿地区(中区)に簡易宿泊所を約四十部屋確保。希望者は八月二十三日まで無料で利用でき、食事も提供される。市の担当者は三十五人ほどが利用していると明かし「強制的な立ち退きにならないよう丁寧に対応する」と話す。
 しかし、男性は「人が大勢いるところが好きじゃない。一人で気楽に生活したい」と簡易宿泊所には入らなかった。男性によると、今も公園には十人ほどが寝泊まりしているという。五輪について尋ねると、吐き捨てるようにこう言った。「一部の人が自分のメンツのために開いているだけだろ。俺らにいいことなんてひとつもない」
 支援団体「寿越冬闘争実行委員会」の越智祥太(さちひろ)さん(52)は「公共の場である公園を閉鎖する必要性はなく、体のいい排除でしかない。コロナ禍で困窮者への支援を強化しないといけないのに逆に追い詰めている」と強調した。

横浜公園で路上生活を続ける男性=いずれも横浜市中区で


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