JR御茶ノ水駅の段差「怖い。もし転んだら…」 視覚障害者らがホーム点検

2021年7月24日 07時27分

ホームに段差(中央)があるJR御茶ノ水駅=千代田区で

 視覚障害者の団体でつくる「全日本視覚障害者協議会」メンバーが、ホームに段差があるJR御茶ノ水駅(千代田区)と、代々木駅(渋谷区)の危険性を点検した。ホームドア未設置の御茶ノ水駅は段差を踏み外せばホームから落ちかねないと問題視し、JR東日本に対して改善を求めていく。設置済みの代々木駅は「安心できる」と分析した。(井上靖史)
 点検したのは、同協議会まちづくり委員会のメンバーと介助者で、今月四日に実施した。中央・総武線各駅停車が止まる御茶ノ水駅下りホームは東端の二両分ほどに高いところで五十センチを超す三段の階段がある。「段差があります」とアナウンスは流れているが、段差からホームの端までは二メートル未満の所もある。
 段差解消は構造的に困難とみられ、ホームドアがない現在は視覚障害者にとってかなり危険だ。強度の弱視の山城完治・同協議会代表理事(65)はと青ざめた。
 別の課題も見つかった。このホーム中央付近は点字ブロック上に柱が設置されている場所が何カ所もあった。さらにホームの中央部に巨大な壁のような障害物もある。中央線と総武線の乗り換えは、大人の身長だとかがまなければいけない。視覚障害者には純粋に壁となる。
 参加した全盲の鍼灸(しんきゅう)マッサージ師松川正則さん(65)=千葉県船橋市=は「障害物にぶつかると方向感覚を失ってしまう」と話し、衝突によって転落の一因になりかねないと懸念した。
 御茶ノ水駅の上り線ホームも点検し、同じような段差があった。下り線より段差は低いが、手すりはない。段差から線路までの距離も下り線よりさらに短かった。
 続いて、御茶ノ水から総武線各駅で西へ七駅。山手線も止まる代々木駅ホームを点検した。御茶ノ水駅と同様、ホーム先端に段差はあるが、ホームドアは設置されている。山城さんは「これなら転落しない」と安心した。弱視の加藤厚実さん(60)=府中市=らは「できれば段差もなくして平らにしてもらいたい」と望んでいた。

◆早期整備へ時期未定 JR東の見解

 国土交通省は、転落事故を防ぐため、鉄道事業者に対して利用者が一日十万人以上の駅には優先的にホームドアを設置するよう促している。
 JR東日本東京支社によると、御茶ノ水駅の一日の利用者は二十万人以上。ホームドアが未設置の理由について、広報担当者は「現在、駅の改良工事と、中央快速線にグリーン車を導入するための工事の調整を図っている」と説明。「早期整備に向けて検討している」とするが、時期は未定という。
 同駅では現在、新たな駅前広場を整備中。近隣に大学病院が多いこともあって、利用者の要望が多かったエレベーターやエスカレーターを設置するバリアフリー化工事も実施中で、いずれも二〇二三年度に完成予定。バリアフリー化は一部で完成したが、ホームの北側を神田川、南側を崖、東西の両端を橋に挟まれた特異な立地条件で、工事は難しく時間がかかるという。
 段差やホームドアも人命にかかわりかねないだけに、障害者をサポートする駅スタッフの配置や周囲の利用者への協力呼び掛けなど、早急な対応が望まれる。

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