茨城・神栖市のホテルでは「バブル」形骸化、感染リスク懸念 五輪選手が外出、一般客エリアで談笑も

2021年7月24日 07時48分

食事会場がある2階に立ち入らないように呼び掛ける案内板=神栖市の鹿島セントラルホテルで

 東京五輪が二十三日、開幕した。一足早くサッカー競技が始まった茨城県立カシマスタジアム(鹿嶋市)で試合をする選手らが滞在している鹿島セントラルホテル(神栖市)では、新型コロナウイルスの感染防止のため、選手らと外部の接触を遮断する「バブル方式」が採用されている。ただ、選手らが外出するなどバブルが形骸化しているケースも見られ、ホテル側は感染が広がらないか気をもんでいる。(松村真一郎)

◆220人

 鹿島セントラルホテルでは、十六日から十日間の予定で、カシマで男子一次リーグに臨むニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニアの四チームの選手らが滞在している。
 その後も、カシマで試合日程が組まれている八月五日まで受け入れる。ホテルには客室が全部で二百九十七部屋あるが、期間中は海外のメディア関係者も合わせて、最大で約二百二十人が宿泊する予定になっている。
 選手らの感染防止対策のバブル方式として、一般客と宿泊フロアを完全に分けている。選手用のフロアや、食事会場がある二階には、関係者以外が立ち入れないよう警備員を配置。選手にも外出しないことや、一般客のエリアには行かないよう求めている。

◆行動管理

 ただ、七月十九日に記者がホテルを訪れると、選手らが談笑しながら、一般客も利用する一階ロビーやホテルの外を出歩く姿が見られた。大会組織委員会のスタッフも宿泊し、選手らの行動を管理しているというが、結局は選手らが順守するかどうかにかかる。
 山中敏弘総支配人は「選手らは行動制限で不満もあると思うが、感染リスクを減らすためにも一般客がいる場所への出入りは控えてほしい」と注文した。
 バブル方式の破綻は各地で見られる。入国十四日以内で外出する際は、監督者が帯同すれば可能だが、都内の宿泊施設などで、監督者なしでも十五分以内の外出を認めていたことなどが問題化した。
 玄関口になる成田空港でも、選手らが入国手続きの専用レーンを外れて移動したり、検査結果待ちで疲れて空港内を動き回ったりするケースもあるという。

◆二転三転

 一方、選手を受け入れる混乱は直前まで続いた。山中総支配人によると、六月中旬の段階で、組織委から「十三日に四チームが同時に来る」と告げられていたが、その後に二転三転。結局、ホテル入りの日程が確定したのは直前の今月七日で、十八日までにバラバラに到着した。
 直前まで五輪が開催できるか分からず、選手を歓迎する準備が、フロントの卓上に国旗を設置したり、館内のデジタル案内板に「ようこそ」を意味する各国の言葉を表示したりする程度にとどまった。
 山中総支配人は「どこまで歓迎ムードを出したらよいか判断しにくかった」と苦しい胸の内を明かす。その上で「大会はもう始まっているので、流れに沿って対応し、選手たちには気持ちよくプレーしてもらいたい」と語った。

関連キーワード


おすすめ情報

茨城の新着

記事一覧