五輪会場へつながる道 お台場「ラストマイル」歩いてみると…

2021年7月24日 21時33分
 開会式を終え、競技が本格化した東京五輪。各競技場周辺の駅から競技場の入り口まで観客が歩くはずだった「ラストマイル」は、無観客にならなければ観戦に訪れる人で混雑するはずだった。各競技場が集まる東京・お台場地区のラストマイルを24日、歩いてみた。(渡部穣)

りんかい線「東京テレポート駅」から地上へと上がるエスカレーターには、「TOKYO2020」の装飾も=東京・お台場周辺で

◆大量の仮設トイレ、でも半分は使えず

 りんかい線「東京テレポート駅」。地上に向かうエスカレーターの両側は「TOKYO2020」と大きく書かれている。駅前に出ると、大量の仮設トイレが並んでいた。連日訪れるはずだった大勢の観客向けに設置されたとみられるが、半分ほどは使用不可の張り紙が。残りも使っている人はほとんどいなかった。

「東京テレポート駅」近くに設置された大量の仮設トイレ。半分以上が使える状態だが、利用者はいなかった

 ラストマイルは本来、柵で歩行用のルートをつくり、柵に五輪の横断幕をかけて雰囲気を盛り上げるはずだったが、幕は広げられずに柵にかかったまま。人影もまばらだった。

五輪会場へと観客を導く予定だったフェンス。人影はまばらで、畳まれたままのシートが痛々しい

 先へ進むと、バスケットボール3人制などの会場となっている「青海アーバンスポーツパーク」に出た。入り口は閉ざされたまま。中からは大きな実況の声が聞こえてきた。

◆「いろんな会場を見ておこうと…むなしい」

 施設の前にいた中年の男性は、兵庫県から夫婦で上京してきたという。「体操のチケットを持っていたので飛行機を予約していた。キャンセルできないので、せめていろいろな会場を見ておこうと思ってきた。でも、むなしいですよね」。陸上のチケットも持っていたといい、「五輪なんて、もう二度と見られないのに」と寂しげだった。

青海アーバンスポーツパーク。中から、バスケットボール3人制の派手な実況が聞こえたが、足を止める人はほとんどなかった

 ゆりかもめ「台場駅」近くには、五輪のオフィシャルショップなどがオープンするはずだった「2020ファンパーク」が広がる。緊急事態宣言で運営は中止に。ショップの中も空っぽだった。

「TOKYO2020 MEGASTORE」と書かれた大きな建物。五輪記念グッズの販売所などになる予定だったという

◆米記者「意地悪されているみたい」と嘆き

 近くにいた米放送局NBCの男性記者は「残念。こんな立派な施設が使われないなんて」。初めての来日だが、東京見物は許されておらず「意地悪をされているみたいだ」と嘆いていた。

ベンチには「路上飲みはご遠慮ください」とのステッカー。ただ、ベンチの利用者はほとんどいなかった。奥は「青海アーバンスポーツパーク」への一般入場に使われる予定だったゲート


「ユニコーンガンダム」の実物大立像の前には記念写真を撮る人がいたが、五輪にはあまり関心がないようだった

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