<各駅停車>TOKYO2020

2021年7月25日 07時43分
 家と駐車場が離れていて、昨年春の引っ越し直後はよく迷った。バス通りから入る角はどこもよく似ていて、間違えると行き止まり。ある時、街灯に結び付けられた「TOKYO2020」の五輪装飾旗が目印になると気付いた。何色もあるが曲がるべき角は緑。同じ色の旗は隣接しないので、慌ててバックすることはなくなった。
 大会延期で想定より長く使われた旗は雨や日差しに色褪(いろあ)せ、冬の強風に破れて垂れ下がった。あまりに見事に今大会を体現していて現代アートのようだったが、年が明け、春一番が吹くと、あっさり新調された。それでも機運の盛り上がりは感じられなかったが。
 これを書いている時点では不明だが、開会式はそれなりに華々しかったことだろう。だが、コロナのせいだけではない実にさまざまなほころびが表に出て、全員がもろ手を挙げて祝福する大会でなくなったのは確かだ。一年前の西暦を正式名称に冠した大会は、あの旗以上に強烈な何かを生み出せるだろうか。(前田朋子)

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