<新型コロナ>給付金に過剰手数料 「事業者申請支援」10~20%請求続々

2020年5月17日 02時00分
 新型コロナ感染拡大の影響を受けた中小事業者を対象にした「持続化給付金」を巡り、申請手続き支援で給付額の10%以上の手数料を請求しようとする民間業者が相次いでいることが分かった。公認会計士や税理士らは過大な手数料になっている可能性が大きいと指摘。貴重な給付金を中抜きされないよう、自力での申請を呼び掛けている。 (桐山純平)
 売り上げが半減した事業者に対し政府は一日から同給付金の受け付けを開始、申請が殺到している。それに乗じ、書類作成や確認で手数料を取ろうとする業者らがネット上での宣伝を活発化させている。
 「受給額×15%」。ある業者はホームページ(HP)に手数料をこう記載する。申請者は二百万円給付されても業者に三十万円を払えば百七十万円しか手元に残らない計算だ。業者は本紙の取材に「給付金や助成金の支援業務の平均的な成功報酬は20%程度と認識しており、むしろ低価格だ」とメールで答えた。
 このほか、ネット上には10~20%の手数料を請求する業者が複数いる。手数料を事前に取るのではなく給付金が支給された後に徴収する仕組みとしていることをもって「実質負担は無料」と説明する業者もある。
 給付金支援を巡り多額の手数料を請求することについて、ある公認会計士は「給付金は従来の国の助成金などの手続きに比べ簡素化されており、高額手数料は疑問。困っている人にお金を素早く届ける制度の趣旨にも反する」と批判する。
 動画投稿サイト・ユーチューブでも情報発信する田淵宏明税理士は「給付金を有効活用するためにも自力で申請した方がよい」と指摘。「申請が不安なら国や商工会議所の無料相談を利用してほしい」と話す。
 一方、休業要請に応じた中小企業などに最大百万円の「感染拡大防止協力金」を支払う東京都は今回、業者に過剰な手数料を抜かれることを防ぐため異例の措置を講じた。企業が申請しようとする書類を事前チェックする会計士や税理士らの手数料を、都が「八千円」と一律に決め、支給額とは別に都が負担、会計士らに直接払う仕組みにした。
 都の担当者は「書類確認の内容から八千円が妥当と算定し、会計士や税理士の業界団体に『その範囲内で』と要請した」と話す。
 ただ、同協力金を巡っても、八千円を大幅に超える三万三千円で申請を支援すると宣伝していた税理士事務所が都内にあった。取材に対し同事務所代表者は「依頼者は手数料が都の負担ということを知っているので、実際は八千円で業務をしている」と回答した。取材後、事務所のHPから三万三千円の料金の記載は削除されていた。
<持続化給付金> 売り上げが前年同月比で50%以上減った中小事業者に最大200万円、個人事業主に同100万円を支給。売上台帳などの写しを添付しネットで申請。経済産業省によると通常2週間程度で入金される。ネット申請が困難な人のため全国400カ所を目標にサポート会場を設置。各都道府県もこれとは別に営業自粛に協力する事業者に協力金などの名目で給付する。

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