米国で成長を遂げ、凱旋した五輪王者・堀米雄斗 言葉の壁を乗り越えつかんだ夢と「金」<スケートボード>

2021年7月25日 21時08分
 異国の地で挑戦を始めた少年は、スターとなって帰ってきた地元の東京で、初代五輪王者の称号を手にした。25日、東京五輪スケートボード男子ストリートを制した堀米雄斗(22)=XFLAG=は、高校卒業後に本場の米国に渡り、屈指のスケーターへと成長。凱旋がいせんの五輪で力を示し、夢と金メダルの両方をつかんだ。
 トップで迎えた最後の演技。深く息を吐いて呼吸を整え、大技に挑んだ。着地を決めると両手をたたいて喜び、関係者と抱き合う。重圧から解き放たれ、笑みを浮かべた。「地元の(東京都)江東区で育って、ずっとスケボーだけしてきた。五輪という場所に立ててうれしい」

男子ストリート決勝で大技を決め、笑顔を見せる堀米雄斗=いずれも有明アーバンスポーツパークで

 スケーターだった父の影響で6歳からスケートボードを始め、やがて米国に憧れを抱く。「夢はアメリカで大きな家を買って、そこにパークを造って、世界の友達を呼んで一緒に滑ること」。中学から米国に行き来し、高校を出て本格的に拠点を移した。
 英語は話せず、現地につてもない。最初は知人の日本人を頼り、居候した。「知り合いがいるって知って、聞いてみてOKと言ってくれて」。その後は大会で知り合った米国のスケーターらと共同生活を送り、切磋琢磨せっさたくました。
 言葉の壁で孤独感にさいなまれたが、諦めて帰ろうとは思わなかった。「言葉ができない時でも、滑っている時だけはスケーターと仲良くできた」。心のよりどころとなったのもスケートボードだった。

男子ストリートで金メダルを獲得した堀米雄斗の演技

 幼少期から培った日本時代の技術と本場の練習がかみ合い、才能が開花。世界最高峰のリーグで優勝を重ねて賞金を稼ぎ、米専門誌の表紙も飾った。昨年、ロサンゼルスで念願の家を買い、庭のパークで朝から滑る生活を手に入れた。
 アメリカンドリームをかなえた。でも、やりたいことは山ほどある。「庭のパークの完成度はまだ20、30パーセント」。帰宅したら、すぐ作業を再開するつもりだ。(佐藤航)

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