レインボーだけじゃない! 性はいろいろ プライドフラッグ 

2021年7月26日 07時07分

レインボーフラッグ

 「多様性と調和」を掲げる東京五輪が開幕した。性的少数者(LGBTQ)のニュースとともに、虹色のレインボーフラッグを目にする機会が増えたが、多様な性を象徴する「プライドフラッグ」には、他にもいろいろなデザインがある。この夏、色鮮やかな旗がなびく姿を街でも見ることができるかもしれない。
 新宿のLGBTQ情報発信施設「プライドハウス東京レガシー」。大会組織委員会の公認プログラムにもなっているこの施設には、レインボーフラッグなど五種類が展示されている。「旗を入り口に、対話が生まれたら」とスタッフの向坂(こうさか)あかねさんが話す。

さまざまなプライドフラッグについて説明するスタッフの向坂あかねさん=新宿区のプライドハウス東京レガシーで

 レインボーフラッグは一九七八年、米国サンフランシスコで誕生。ゲイの政治家ハーベイ・ミルク氏からコミュニティーの象徴となるデザインを頼まれたギルバート・ベーカー氏が作った。当初は八色でピンク、ターコイズも入っていたが、大量生産時に生地が入手しづらいなどの理由で現在の六色に。赤はライフ、オレンジは癒やし、黄は太陽、緑は自然、青は調和、紫は精神の意味が込められているという。

トランスジェンダー

 九〇年代後半には、生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性で生きる「トランスジェンダー」など、コミュニティー内の多様性を訴える声から新たな旗が出てきた。世界のLGBTQ関連団体が加盟する国際非政府組織(NGO)「ILGA」の元共同代表で、弘前大助教の山下梓さんは「一つにくくられると見落とされがちな自分たちの存在や誇り、問題意識を可視化したいという思いが背景にあるのでは」と話す。

ノンバイナリー

 二〇一〇年代に入ると、権利獲得運動の盛り上がりとともに、当事者やデザイナーらの発案で旗の種類が増加。米国・北コロラド大ジェンダー&セクシュアリティーリソースセンターの紹介ページには、二十三種類もの旗が掲載されている。
 新宿の施設にある旗を見てみよう。「プログレス・プライドフラッグ」はレインボーに、有色人種を表す黒と茶などが加わった十一色。トランスジェンダーの旗は、男女それぞれの色といわれがちな水色とピンクに、性別移行中の人や男女二元論に当てはまらない人などを包括する白色が並ぶ。

プログレス・プライドフラッグ

 レズビアン(女性同性愛者)の旗は何種類かあるが、この施設にあるのは朱色やピンクなどの暖色と白のストライプ柄。黄・白・紫・黒の四色旗は、性のあり方が従来の男女二元論に当てはまらない、当てはめたくない人々を指す「ノンバイナリー」の旗。向坂さんは「旗の色はそれぞれジェンダーのあり方を表していて、例えば黄色は男女の性別二元論の外にいる人、黒はジェンダーがないと感じている人などを表しています」と説明する。
 向坂さんは、高校卒業後に渡米し、有色人種のLGBTQの若者支援やケアに携わった。米国の若い世代では、旗のピンバッジを着けたり、パレードやデモで旗をマントのように羽織ったりするなどプライドフラッグは身近だったという。約十三年間の米滞在中、住宅や教会、ホテルなど街のあちこちで旗を見かけた。

レズビアン

 旗によっては、デザインや色の持つ意味も一つに限らない。向坂さんは「プライドフラッグのあり方は言語に似ている。言葉が時代とともに変わるように、旗もデザインや込める思いが更新されていく。カラフルな旗から、多様な性のあり方に触れてほしい」と話している。
<LGBTQ> レズビアン(女性同性愛者=L)、ゲイ(男性同性愛者=G)、バイセクシュアル(両性愛者=B)、トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは異なる性を自認する人=T)、クエスチョニングとクイア(自分の性のあり方が特定の枠に属さない人や分からない人と性のあり方の規範に沿わない人=Q)の頭文字で、性的少数者を表す。
文・奥野斐/写真・戸田泰雅
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