黒い雨訴訟で国が上告断念 期限前に首相表明 被爆者手帳交付へ

2021年7月26日 17時22分
黒い雨」訴訟の広島高裁判決に関し、記者団に上告を断念すると明らかにした菅首相=26日午後、首相官邸

黒い雨」訴訟の広島高裁判決に関し、記者団に上告を断念すると明らかにした菅首相=26日午後、首相官邸

 広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る訴訟で、一審に続き原告全員を被爆者と認めた広島高裁判決を受け、菅義偉首相は26日、上告を断念すると明らかにした。上告期限は28日だった。今年8月で終戦から76年。黒い雨に遭った原告らの高齢化が進む中、救済へ道が開けた。
 菅首相は官邸で、原告全員に直ちに被爆者健康手帳を交付する方針を表明した。
 県と市は被爆者健康手帳の交付事務を担うため訴訟上は被告。しかし、住民救済を重んじ昨年7月の一審判決時も今回も、原告と同様に上級審に進むことを望まなかった。前回は有識者検討会の設置とセットで国の控訴方針を受け入れた。
 被爆者援護法は、爆心地周辺にいた人らのほか、黒い雨が降り続いたとされる「特例区域」で雨に遭い放射線に起因する病気を発症した人を被爆者と認定している。
 今月14日の広島高裁判決は、黒い雨の範囲を特例区域より広く捉えたほか、空気中の放射性微粒子を吸い込むことなどによる内部被ばくで健康被害が出る可能性もあると指摘。特定の病気の発症にかかわらず広く被爆者認定すべきだとの判断を示した。(共同)

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