金メダルの西矢椛は強心臓、高難度の技で挽回 五輪も「普段の大会と同じ」<スケートボード女子ストリート>

2021年7月26日 21時37分
 東京五輪第4日の26日、スケートボード女子ストリートで西矢もみじ(13)=ムラサキスポーツ=が優勝した。 

女子ストリート予選 西矢椛の演技=26日、有明アーバンスポーツパークで

 スケートボーダーの間では、「板に乗れている」と表現するという。多彩な技や豪快なジャンプを繰り出しても、板が足に吸い付いたかのように離れない。一発技を競うベストトリックの4回目に臨んだ西矢は「乗れるかどうか不安だった」と振り返った言葉とは裏腹に、まさしく板を乗りこなしていた。
 挑んだのは、宙を舞いながら板を横に半回転させ、レール(手すり)に飛び乗って後ろ向きで滑り降りる難技「ビッグスピン・フロントサイド・ボードスライド」。跳び上がる間に右足先で巧みに板を操り、続いて左足を置いてレールの上に押しつける。まばたきをすれば見逃すほどの一瞬に、目まぐるしく緻密な動きを詰め込んでいた。
 驚くべきは、重圧のかかる場面でそれを完璧に決めたことだ。2回のランと3回のベストトリックを終えた時点で、4位の中山と僅差の5位だった。すでに2回を失敗している西矢にとって、4回目の成功は金メダルを取るために不可欠。緊張で硬くなってもおかしくない中、この日の自己最高となる4.66点を出して勝利を引き寄せた。
 「板に乗るセンスがずばぬけている」と日本チームの早川大輔コーチ。どんな動きをしてもバランスが崩れず、板と体の位置を修正できる。その能力は経験と練習で習得する部分もあるが、まだ13歳の西矢は感覚的にこなしている。
 若さゆえの大胆さもある。五輪に頼らず独自の文化を培ってきたスケートボードの特性もあって、いい意味で五輪を重要視していない。金メダル獲得の日本最年少記録も、恐らく周りが騒ぐほど意識していない。五輪の印象を問われると事もなげに言った。「普段の大会と変わらなかった。最初の1本は緊張したけど、その後は緊張しなかったです」(佐藤航)

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