伊藤美誠「最初から思い切り行けた」、水谷隼「負けているからこそ好機」 劣勢から挽回金<卓球混合ダブルス>

2021年7月27日 02時15分
 卓球の混合ダブルスで水谷隼(32)=木下グループ、伊藤美誠(20)=スターツ=のペアは26日の決勝で中国ペアをセットカウント4-3で下し、金メダルを獲得した。卓球競技での金メダル獲得は初めて。

混合ダブルス決勝 ポイントを奪いガッツポーズする水谷隼(右)、伊藤美誠組

 伊藤が渾身こんしんのロングサーブを放つと、レシーブは返ってこなかった。2人で跳びはね、抱き合う。フルゲームまでもつれた混合ダブルスの決勝を制した水谷が「夢のよう。明日起きたときに、まだそばに金メダルがあればうれしい」と言えば、伊藤は「とにかく最後まで楽しむことができた」と笑った。
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 左利きの許昕が放つ独特な軌道のドライブは脅威。ピッチの早い劉詩雯の攻撃にも苦しみ、序盤に2ゲームをいきなり連取された。だが、「相手もかなり緊張していると肌で感じた」と水谷。体勢を崩されようとも2人でボールに食らい付き、第3ゲームを11―8と挽回。「僕らのチームに流れが来た」と潮目を変えた。
 シーソーゲームを続け、迎えた最終第7ゲーム。「最初から思い切りいけた」と伊藤の両ハンドもさえわたり、一気に8連続得点。点を取るたびに2人で拳を握り、手を突き上げる。集中力を切らさず、11―6で振り切った。
 世界選手権覇者のこの中国ペアとの直接対決は過去4戦全敗。分が悪い中でも水谷の発想は違った。「負けているからこそ相手にプレッシャーを与えられる」。振り返れば2016年リオデジャネイロ五輪の男子団体決勝。中国に敗れて銀メダルに終わったが、水谷は過去12戦全敗だった許昕に初勝利した経験がある。今回も番狂わせを起こす好機と捉えていた。
 合宿に入れば男子ペアとの試合形式の練習も精力的にこなし、失点率が高かったレシーブからの展開も改善を図った。大舞台で動じなかった精神面と、突き詰めた連係。シングルスなどを含め、世界の舞台で立ちはだかった中国の壁を地元開催の五輪でようやく打ち破った。水谷は「今までのすべてのリベンジができた。本当にうれしい」と余韻に浸った。(磯部旭弘)

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