日本卓球界の悲願、中国ペア倒し初代王者 有終の美を飾った水谷隼、伊藤美誠はさらなる高みを目指す<混合ダブルス>

2021年7月26日 23時17分
 東京五輪で25日に行われた卓球混合ダブルス決勝で、水谷隼(木下グループ)伊藤美誠(スターツ)両選手のペアが日本卓球界初の優勝を果たした。最後に相手のレシーブがネットに掛かると、両選手は思わず抱き合う。コロナ禍で禁じられていて、伊藤がすぐに離れて苦笑い。それだけ、喜びの感情がはじけた。

混合ダブルス決勝で中国組を破り、抱き合って喜ぶ金メダルの水谷隼(右)と伊藤美誠=いずれも東京体育館で

 昨年1月に日本代表が発表された数日前。倉嶋洋介監督は日本勢の世界ランキング3番手の水谷と会っていた。自動的に代表になる上位2人には入っていなかった。
 残り1人は推薦での選出。「地元開催の五輪を集大成にしよう」「水谷の価値は下がるわけでもない。さらにもっといい名前の残し方ができるかもしれない」。団体と混合ダブルスのみの出場。長く苦楽をともにした指揮官は、前回のリオデジャネイロ五輪のシングルスで銅メダルだった水谷の名誉に気を配った。
 だが、迷いはなかった。「東京でのメダルを期待されている。そこに向けて精いっぱいやりたい」。水谷は、五輪を最後に代表を退くシナリオを思い描き、「ゴールを決めているからこそ、力を発揮できる」。常々掲げてきた打倒中国を、ついに果たした。
 一方の伊藤は女子の日本代表争いを難なく制した。目標はあくまで五輪の優勝。「実力をさらに上げていかないといけない」と気を緩めなかった。

中国組と対戦する水谷隼(左)、伊藤美誠組

 リオ五輪でメダリストになった反動で一時は見えない重圧と闘い、試合をするのが怖いとさえ思ったこともあった。だが「その時期があったおかげで、自分が変わらなきゃもう勝てないと感じることができた」。
 有終の美を飾ろうとしている水谷と、さらなる高みだけを見据える伊藤。対照的な2人だが、ともに静岡県磐田市出身でそれぞれの実家はほど近い。伊藤が幼かった頃から知る仲。抜群のコンビネーションで、トーナメントを勝ち上がった。
 「今まで本当にたくさん負けてきた」と水谷が話す中国に東京で勝ち、伊藤は「すんごくうれしい」と破顔。「ご近所さん」ペアが、ついに偉業を成し遂げた。(磯部旭弘)

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