高校生 平和の誓い 体験、思い、継承へ 県原爆死没者慰霊式でメッセージ

2021年7月27日 07時17分

誓いを読み上げる武田さん(左)と清水さん=さいたま市内で

 広島、長崎への原爆投下で亡くなった人を悼む36回目の県原爆死没者慰霊式(県原爆被害者協議会「しらさぎ会」主催)が25日、さいたま市浦和区のさいたま共済会館で開かれた。会員の高齢化が進み、記憶の継承が急がれる中、県立浦和高校の3年生2人が出席し、それぞれ平和への決意を込めたメッセージを読み上げた。(前田朋子)
 慰霊式は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小し、約八十人が参加。昨年に続き式典の模様を動画サイトで配信し、核兵器廃絶の祈りをささげた。
 県立浦和高校では昨年十月、当時の二年生が平和学習で、しらさぎ会の久保山栄典(よしのり)さん(83)が長崎で被爆した際の体験を聞いた。今回、久保山さんらがこの時の出席者に式典への参加を誘い、広島、長崎の両市長らのメッセージ代読を依頼。すると三年生になった清水雅文さんと武田大輝さん=いずれも(17)=が手を挙げ、自分たちでメッセージを執筆することを提案し、「平和の誓い」として読み上げた。
 「私たち若い世代が胸に刻み込むことこそ、過去を繰り返さない第一歩となる」「日本が平和であっても、世界のどこかで戦争や原爆という悲劇が起きては本当の平和とは言い難い」。二人の力強い言葉に久保山さんは目を細め、「(語り部活動は)お涙頂戴では継承にならず、同情で終わってしまう。高校生は同情でなく、共感してくれた」と手応えを語った。
 同会会員は平均八二・五歳と高齢化し、体験や思いをどう継承していくかが課題となっている。五月に会長に就任した原明範会長(79)は「県教育委員会に申し入れるなどして平和学習をつなげ、若い世代へ引き継いでいきたい」と話した。

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