耐え抜いた永瀬貴規 右膝大けがで「死ぬかと思った」日々も「神様からの試練」<柔道>

2021年7月27日 20時35分
 男子81キロ級で優勝し、金メダルを手に笑顔の永瀬貴規=日本武道館で

男子81キロ級で優勝し、金メダルを手に笑顔の永瀬貴規=日本武道館で

 決勝では、攻勢に耐え抜いて金メダルをつかんだ。東京五輪で27日に柔道男子81キロ級を制した永瀬貴規(旭化成)は、けがに苦しみ、我慢して復活してきた。その道のりと、この日の戦いぶりは重なる。
 世界王者として臨んだ前回のリオデジャネイロ五輪は悔しい銅メダル。母小由利さんは「貴規の人生で初の挫折」と話す。
 翌年の世界選手権。試合中に右膝が「ニョキニョキ」と奇妙な音をたて、あり得ない方向に曲がった。靱帯じんたい断裂。手術を終えると「別の脚になっていた」。動かない脚。地味なリハビリ。もどかしかった。
 試合から約1年遠ざかり、復帰2戦目。スタミナでは負けなかったのに、初戦の途中で息が上がった。「はよ、試合終わらんかなと思った」。顔は青ざめていた。「死ぬかと思った」。試合後、母に初めて弱音を吐いた。乗り越えられたのは「東京で金メダルをとりたいから」。座右の銘は「日々精進」。結果が出なくても腐らず、毎日の積み重ねを大切にした。「神様からの試練とプラスに考えた。もっと強くなれると」
 大けがから1年半、国内大会で優勝し、復活を遂げた。リオ五輪から挫折が続き、そのたびに立ち上がり、さらに強くなった。「あのけががあったから」。今ならそう言える。優勝を決め、「うまくいかないことばかりの5年間。でも、経験できてよかった」と実感を込めた。(森合正範)

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