政府「ワクチン1割減」撤回 8月後半分 市区町村が「在庫ない」と反発

2021年7月28日 06時00分
 政府は新型コロナウイルスの米ファイザー製ワクチン配分を巡り、自治体への8月後半(16日から2週間)分について、「在庫」があるとみなした市区町村への配分量を1割減らすとした方針を撤回した。1割削減は8月前半(2日から2週間)分から始めたが、市区町村側から「在庫はない」などと批判が相次いでいた。(井上峻輔)
 方針撤回は7月26日付で、配分量と合わせて都道府県に通知した。河野太郎行政改革担当相は27日の記者会見で「土壇場で削られると予見性に欠けるという話がある」と、市区町村の接種態勢に支障が出ないように配慮したことを撤回の理由に挙げた。
 河野氏は8月前半と後半の2回分の配分方針を7月6日の会見で説明。市区町村の人口に応じた配分を基本としつつ、一定の在庫があると判断した市区町村は1割削減し、その分を都道府県の裁量で配分する「調整枠」に積み増すとした。だが、12日に8月前半分の配分量を発表すると、1割削減された市区町村からの反発が相次いだ。

◆足立区「残りのほとんどは2回目接種用」

 東京都足立区は1割削減後に区内の医療機関などにある冷凍庫を調べたが、残っているワクチンのほとんどが2回目の接種用として予約済みのものだった。
 また、政府は「在庫」をワクチン配送量と「ワクチン接種記録システム(VRS)」に入力された接種実績の差から判断した。入力が遅れると実際の在庫と一致しない。
 8月後半分の削減を免れるために入力日数の短縮に取り組んできた足立区の担当者は「たまたま入力が遅かっただけ。ペナルティーで減らされるのはあり得ない」と政府を批判する。
 政府は9月分(8月30日~)の配分からは、各都道府県に市区町村への配分を委ねる方針。

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