<TOKYO2020→21>つかんだ夢、羽ばたいて きょう登場 寄居出身、柔道・新井選手 リオ落選…奮起を見守った母

2021年7月28日 07時35分

地元の中学生から贈られた新井千鶴選手の似顔絵を手に笑顔を見せる昌代さん=寄居町で

 28日の東京五輪柔道女子70キロ級に、寄居町出身の新井千鶴選手(27)=三井住友海上=が出場する。2016年リオデジャネイロ五輪の出場を逃した悔しさを乗り越え、つかみ取った初の夢舞台。母昌代さん(54)は「今までのものを全部出し、納得いく試合をしてほしい」と活躍を願う。(杉原雄介)
 三歳上の兄の影響で、小学一年生で地元の男衾(おぶすま)柔道クラブに入会した新井選手。「人の数倍努力する」が口癖で、昌代さんは「柔道が好きで好きで、やめろって言われても練習し続けるような子だった」という。
 日本代表級には早熟な選手も多い中、新井選手は児玉高校三年でインターハイに初出場、初優勝するまでは無名に近い存在だった。強豪実業団入りして頭角を現したが、世界選手権など主要な国際大会で結果を残せない時期も。代表入りが有力視されたリオ五輪は、最後の選考会の決勝でライバルに敗れ、涙をのんだ。
 柔道一筋の生き方でなければ、娘はこんなにつらい顔をしなくていいかも−。昌代さんは、苦しむ新井選手に「違う道もあるよ」と声をかけたこともあった。だが、返ってきたのは「逃げない」。あくまで夢を追う決意の言葉だった。

新井千鶴選手

 失意から一転、「今度こそ私が」と奮起して一七、一八年に世界選手権を連覇。その後も国際大会で実績を重ね、東京五輪代表の座をつかんだ。昌代さんは「ずっと頑張ってきたのを見ているから、決まった時は『やっとここまで来たんだ』と、とにかくほっとした」と感慨深げだ。
 たくさんの人に出会って大きく羽ばたいてほしい。「千鶴」という名前に込めた思いだ。「周囲に支えられながら強くなってきた。五輪では最後に千鶴に笑ってもらいたい」と昌代さん。娘が世界の頂点へ羽ばたく瞬間を、心待ちにしている。

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