「五輪やめて」の病院副院長 「ぎりぎりの状態だ…無観客でも賛成できない」

2021年7月28日 19時05分

「ぎりぎりの状態」と話す立川相互病院の山田秀樹副院長


 東京の新型コロナウイルス新規感染者が3000人を超えた28日、立川相互病院(東京都立川市、高橋雅哉院長)のコロナ患者用空き病床は集中治療室(ICU)を除き1床だけだった。残り19床は患者で埋まり、病院スタッフが対応に追われている。急患を断らざるを得ないこともあり山田秀樹副院長(57)は「ぎりぎりの状態だ」と訴える。
 「第5波は予測より早い。デルタ株に加え、流行が収まっていないのに6月に緊急事態宣言を解除したことが影響しているのではないか」と山田副院長。そんな中で開催されている五輪には、無観客であっても「医療従事者として賛成できない」と話す。

◆「大会関係者の感染多い」

 選手や関係者を外部と遮断する「バブル(泡)方式」には「いろんな穴がある」と指摘。選手村も「共同で部屋やトイレを利用する時点で感染症対策としてなっていない」と語る。「医療従事者の基準から見れば、大会関係者の感染が多い。政府の言う安心・安全は疑問だ」
 警備のために兵庫県警から派遣された機動隊員6人がコロナに感染したことにも触れ「東京の感染状況では、大会関係者が感染し、選手村の中にウイルスが持ち込まれるなど、バブルの外から中に持ち込まれる可能性がある」と危ぶむ。
 東京五輪・パラリンピック組織委員会によると、28日までに選手と大会関係者計169人が検査で陽性となっている。

東京五輪の開催反対を訴える紙が張られている立川相互病院=東京都立川市で(池田まみ撮影)

◆看護師確保難しく

 立川相互病院は4月30日に「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」と窓に張り紙をした。五輪に看護師500人のボランティア派遣を要請するとのニュースがきっかけだった。
 ただでさえ看護師の確保が難しい上に、昨年は7割以上の看護師がコロナ患者の対応の応援にあたった。今春にワクチン接種が始まって以降、看護師は時給の高い接種業務に希望が集まり、近隣の病院でも看護師の確保がさらに難しくなっているという。(竹谷直子)

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