<プロに聞く くらしとお金の相談室>ジュニアNISA まだ使える?

2021年7月29日 07時14分

<Q>ジュニアNISA まだ使える?

 子どもの大学進学に向けて、教育資金の準備を考えています。国の「ジュニアNISA(ニーサ)」は、投資の利益が非課税になる制度とのことですが、2023年末をもって終了すると聞きました。今からでも始めるメリットはあるのでしょうか。また、終了後は課税されてしまうのでしょうか。 (50代男性)

<A>非課税 終了後も継続 ファイナンシャルプランナー(FP)・石原玄紀さん

 ジュニアNISAは「未成年者少額投資非課税制度」の愛称。教育資金など、子どもや孫の将来に向けた資産形成のための制度で、2016年にスタートしました。利用できるのは0〜19歳(23年1月以降は成人年齢の引き下げで17歳まで)の未成年。株式や投資信託などを購入し、配当や分配金、値上がり益を受け取る際は通常、約20%の税金がかかりますが、この制度を使えば5年間、非課税となって全額受け取れます。
 投資できる金額は毎年80万円が上限。運用は親や祖父母らが代理で担います。証券会社や銀行の窓口で口座開設を申し込み、株式や投資信託などの金融商品の中から投資する対象を選びます。制度が続く23年まで新規の投資が可能です。
 非課税期間の5年が経過した金融商品は、翌年の非課税枠(ロールオーバー)か、課税口座へ移すかを選べます。もちろん、5年が経過する前に株式などを売却し、利益を確定することもできます。
 ただ原則として、利用者が高校3年(18歳になる年度)の12月までは、お金を引き出すことができません。途中で口座を廃止して引き出すと、原則過去の利益にさかのぼって課税されるため、制度のメリットが全く得られなくなってしまいます。
 ところが、制度が終了する24年以降、この「払い出し制限」がなくなるため、いつお金を引き出しても課税されなくなります。これは、中学受験や高校受験などのタイミングでも、柔軟に引き出せるようになるということ。制度の終了が決まったことによって、むしろ使い勝手が良くなったとも言えます。
 19年12月に払い出し制限の撤廃が示された後、ジュニアNISAの口座開設件数は伸びており、20年は前年より約10万件増えて約45万件になりました。制度のデメリットがなくなったことで、利用を考える人が増えたのでしょう。
 これからジュニアNISAを始める場合、利用できる投資枠は、今年を含めた3年間で毎年80万円ずつ、計240万円まで。制度終了後、非課税期間の5年が経過した金融商品は「継続管理勘定」という枠に移り、引き続き子どもが18歳になるまで非課税で運用できます。制度が終了しているため新規の投資はできませんが、既に持っている金融商品の配当や値上がり益を非課税で受け取り続けられます。
 今年から3年かけて240万円を投資し、仮に年3%で運用できたとしましょう。10年運用すると、70万円ほど資産が増える計算です。特に子どもがまだ幼く、十分な運用期間を持てるのなら、今からジュニアNISAを始めるのもお勧めです。
<いしはら・げんき> 1979年、名古屋市生まれ。証券会社勤務を経て、金融商品仲介業「きわみアセットマネジメント」の金融アドバイザー。FPの国際資格CFPや宅地建物取引士の資格を持ち、投資情報サイトの監修者などを務める。

◆<詳しく>「一般」への移し替え可能

 NISA制度にはジュニアNISAのほか、成人を対象にした、個別の株式など幅広く投資できる一般の「NISA」と、積み立て投資に適した金融商品に投資する「つみたてNISA」の計3種類がある。
 一般のNISAは24年から新制度に衣替えし、28年まで続く。現行の非課税の投資枠は年間120万円までだが、より多くの人に積み立て、分散投資を経験してもらおうと、新制度は積み立て投資を対象とした年間20万円までの1階部分と、従来の一般NISAと似た年間102万円までの2階部分で構成される。
 一方、つみたてNISAで投資できる金額は年間40万円が上限で、非課税期間は20年と長い。当初は37年までの制度だったが、42年まで5年間延長される。一般のNISAとつみたてNISAの併用はできない。
 ジュニアNISAを利用する子どもが18歳になり、NISAの口座が作れるようになれば、運用中の金融商品の移し替え(ロールオーバー)をすることで非課税期間を延ばせる。 (河郷丈史)

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