<曇りのち晴れ>再チャレンジ

2021年7月29日 07時15分
 反共謀罪のキャンペーン報道で知られ、同僚から「いっちゃん」と親しまれた市川隆太さんが、54歳で急逝してから7月で7年が過ぎた。
 彼と仲間数人で、社交ダンスのレッスンに通ったことがある。役所広司主演の映画「Shall we ダンス?」が再び注目を集めていた14年前のことだ。
 遅刻の常習犯だった私は約半年で挫折したが、3年後、海外に赴任する後輩の送別会の席上、いっちゃんは別のダンス教室の講師と華麗に踊る姿を披露してくれた。仕事も趣味も、何事も一生懸命な彼らしい。妙にうれしかった。
 コロナ禍の今年1月、意を決してあの頃のダンスシューズを引っ張りだし、ダンススタジオに通い始めた。マスク着用で、モダンとラテンのレッスン。毎回、シャツが汗でびっしょり、冷たい水がおいしい。姿勢がよくなったような気もする。
 コロナ禍でやりたいことの多くはままならないが、町の公民館のダンスサークルでいい。少しだけかっこよく踊りたい。天国の彼の分まで。(吉原康和、63歳)
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厚い曇り空でも雲の向こうには必ず青空がある−
そんな思いを胸に、記者が暮らしの出来事を綴(つづ)ります。

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