<新型コロナ>3県で緊急事態要請 「これまでの対応、限界」大野知事、強い危機感

2021年7月30日 07時38分
 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、埼玉県は二十九日、千葉、神奈川両県とともに緊急事態宣言の発令を政府に要請した。大野元裕知事は「これまでの対応では限界だ。手を打たないと深刻な事態になる」と危機感をあらわにした。(飯田樹与)
 県内の直近一週間(二十二〜二十八日)の新規感染者数は三千六百十七人で、前週から千五百二人増えた。東京都に近い県南部を中心に感染が広がっていたが、直近一週間では県内全域に拡大。二十八日夜の専門家会議では「コロナ以外の重篤な病気で、入院や手術ができなくなる状況がすぐ目の前にある」という懸念も示されたという。
 県は、三県がそろって緊急事態宣言の発令を受け、危機感を訴えることで市中の人出を抑制し感染を抑え込みたい考え。具体的な措置の内容は近く対策本部会議を開いて決める。
 県内に宣言が発令されれば昨年四月七日〜五月二十五日、今年一月八日〜三月二十一日に続く三度目。現在は二十市町にまん延防止等重点措置が適用され、県は適用区域の飲食店に午後八時までの時短営業や、一人客などを除く酒類提供の自粛を要請している。

◆感染「第5波」 拡大急速、20〜30代多く

 新型コロナウイルス感染が県内で急拡大している。一日当たりの新規感染者数は、二十八日は前日から二百五十人以上増えて八百六十九人と過去最多を更新。今回の「第五波」は感染拡大のスピードが速く、特に二十〜三十代の患者が多いのが特徴となっている。
 新規感染者の増え方では、「第三波」では二百人台から五百人台になるまで約三週間(昨年十二月十八日の二百一人から一月九日の五百十七人)かかったが、「第五波」では一週間あまり(今月十四日の二百四十三人から二十二日の五百十人)だった。十九〜二十五日の県の検査では、感染力が強いとされる「デルタ株」とみられる変異株の割合が47・4%と置き換わりが進んでおり、県は感染急拡大の一因と見ている。
 二十六日県発表のデータ(年代と判明日が確定している人に限る)によると、感染者の年代別割合で七月は二十〜三十代が48・1%と半分近くを占める。県によると、この世代の感染は、二週間ほど前までは東京都内の職場や会食で感染した県南部の人が中心だったが、最近は全県で広がっている。
 六十代以上は第三波の一月は全体の25・1%、二月は35・2%だったが、七月は7・5%まで減少。新規感染者の実数も減っており、八十代以上は一月に六十人を超える日もあったが、五月下旬からは十人前後で推移している。県感染症専門家会議では、五月下旬から本格化したワクチン接種や、重症化リスクの高い高齢者施設のクラスター(感染者集団)防止対策の効果を指摘する意見が出た。
 死者数も現状では少ない。一、二月は計約三百五十人に上ったが、七月に発表された死者は二十九日までに十七人。県は、高齢者の感染者減が影響しているとみている。(飯田樹与)

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