安倍前首相「不起訴不当」と議決 桜を見る会巡り検察審査会

2021年7月30日 21時04分
 安倍晋三前首相の政治団体が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の収支を巡り、東京第一検察審査会は、公選法違反や政治資金規正法違反の疑いで刑事告発された安倍氏を不起訴とした東京地検特捜部の処分について、一部を「不当」と議決した。15日付。

2019年4月、主催した「桜を見る会」であいさつする安倍晋三首相(当時)

 強制起訴につながる「起訴相当」議決ではないため、特捜部が再捜査で不起訴とすれば捜査は終結する。
 検審は議決書で「首相だった者が、秘書がやったことだと言って関知しないという姿勢は国民感情として納得できない。きちんと説明責任を果たすべきだ」と付言した。
 夕食会を巡っては、一人5000円の会費では足りなかった費用を安倍氏側がホテル側に補填。議決書は、補填は有権者への寄付に当たるとする公選法違反容疑での告発を不起訴とした特捜部の処分を、「秘書や安倍氏らの供述だけで犯意を認定すべきでない」などと批判し「不当」と指摘した。

◆【解説】供述中心にNO 検審が迫った積極捜査 

 検察審査会が「不当」だと突きつけたのは、「安倍晋三前首相の関与はない」とする秘書や本人らの供述中心の捜査で不起訴とした検察の姿勢だ。
 検審が着目したのは、1人5000円の会費を超えた分を安倍氏側が補填(ほてん)していたことが、有権者への寄付に当たるのではないかという公選法違反容疑だ。
 参加した地元支援者らに、補填をしてもらったという自覚があったのか。安倍氏本人に寄付の犯意があったのか-。
 検審は、検察が一部支援者や安倍氏らの聴取だけで不起訴と判断したことを問題視し、「メールなど客観的資料も入手した上で認定すべきだ」と積極的な捜査を迫った。
 検審はくじで選ばれた市民からなる。検察は市民の負託に応えるためにも、関与を裏付ける客観証拠がないか徹底的に再捜査しなければならない。(池田悌一)

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