国と東電に10億円の賠償命令、「原状回復」は却下 福島原発事故の帰還困難区域巡る訴訟

2021年7月30日 19時04分
判決後、福島地裁郡山支部前で「勝訴」などと書かれた垂れ幕を掲げる原告側弁護団=7月30日午後

判決後、福島地裁郡山支部前で「勝訴」などと書かれた垂れ幕を掲げる原告側弁護団=7月30日午後

 東京電力福島第一原発事故で全域が帰還困難区域となった福島県浪江町津島地区の住民640人が、国と東電に放射線量を事故前の水準に戻す原状回復と損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)は30日、国と東電に対し、原告634人に計約10億円を支払うよう命じた。原状回復の訴えは却下した。
 6人は事故時に居住実態がなかったとして請求を棄却した。
 原告側は国、東電は大津波の襲来を予見し、事故を防げたと主張。古里で再び暮らせるよう除染による地区全体の線量低減を求めた。国と東電は、原状回復を実現する方法が特定されていないと反論。既に十分賠償したとして訴えを退けるよう求めていた。
 浪江町によると、津島地区に住民票を置くのは6月30日時点で1171人。国が除染を進め、早期の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)は地区全体の1.6%にとどまり、ほとんどの住民は帰還の見込みが立っていない。(共同)
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