コロナ感染拡大と五輪は本当に無関係なのか? 特例入国、穴だらけバブル、祝祭ムード、首相や都知事の楽観コメント…

2021年7月31日 06時00分

「パラレルワールド」と発言したIOCのマーク・アダムス広報部長=東京都江東区で

 東京で4000人弱、全国では1万人超と感染者数が過去最多を更新したコロナ禍。だが、感染急増と東京五輪との因果関係については、菅義偉首相は「人流は減っている」、小池百合子都知事は「テレビ観戦によりステイホームが進んだ」などと否定。国際オリンピック委員会(IOC)の広報部長に至っては「五輪はパラレルワールド(並行世界)」と述べ、感染拡大に責任はないと強調した。本当に五輪と感染増に関係はないのか。(古川雅和、榊原崇仁)

◆30日までに五輪関係者225人の感染が判明

 当初から直接的影響として懸念されていたのは、五輪関係者来日による感染拡大だ。
 選手・関係者は今年1月から、空港到着後の隔離など政府の水際対策に縛られずに特例として入国している。この特例入国者の数は1月から6月までに3551人に上る。内閣官房によると、その中から2月の1人を皮切りに6月末までに計6人の感染が見つかっている。7月1日以降は3万9000人超が特例入国。大会組織委員会によると、30日までに225人の感染が判明している。
 ところが、感染者の国籍や感染したウイルスの種類などの詳細は、大会組織委員会がプライバシーを盾に公表していない。濃厚接触者の有無もよく分からず、詳細な情報が出てくるのは、各国のオリンピック委員会や母国のメディアが報じた場合だけだ。
 選手村がオープンしたのは7月13日。内閣官房は、IOCや組織委が定めた規則集(プレーブック)を「選手や関係者が、順守することを前提にしている」(担当者)のが特例入国だとして、感染拡大につながっていないと説明する。

◆守られぬプレーブック

 ところが、プレーブックが確実に守られているかというと、そうではない。
 五輪開会前から、選手村やホテルというバブルの中で過ごすはずの選手・関係者が、街の中で過ごす姿は何度も目撃されている。開会式では、マスクをつけず入場する姿がテレビで映され、ネットでは都内観光をする選手の姿の報告もある。だが、IOCなどの処分は聞こえてこない。
 一方で、空港での入国手続きは選手らの来日増加に合わせて、緩められた。選手らは、空港の検疫で陰性が確認されてから入国の手続きが行われていた。ところが、入国のピークに備えて今月7日からは混雑緩和のために検査結果が出る前に入国手続きを終え、空港内の待機施設で待つことになった。
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