九条を刻む「球状の碑」 来春、足立に建立 若い人が平和考える場に

2021年7月31日 06時44分

足立区内に建立される九条の碑「球状の碑」の完成予想画像(吉田錦次さん、みきさん提供)

 足立から、九条を守り、生かし、世界に広げたい−。戦争放棄や戦力不保持をうたった憲法九条を目に見える形にした「九条の碑」が来春、都内で初めて足立区に建立される。護憲の市民団体の呼び掛けで発足した草の根の「建立する会」が設置する。会は二十九日に区内で記者会見し、インターネットで資金を募るクラウドファンディングなどでの支援を求めた。(井上幸一)
 足立の九条の碑は、直径一メートルのステンレス製の球体「球状の碑」。若者や子どもに注目されるようにとモダンな形状とし、九条の条文が刻まれている。建築家の吉田錦次さん、みきさん父娘がデザインした。記者会見で錦次さんは、「条文を読んでいると、自分の顔が映る。平和を、自分が生きていることに置き換えて考えて」と制作意図を話した。
 設置場所は同区柳原一の空き地で、東都医療福祉協議会が提供。桜並木のそばで、桜が咲き誇る中での除幕式を目指している。
 建立のきっかけは、地域の市民団体「千住九条の会」が昨年一月、国際ジャーナリスト伊藤千尋さんの講演会を開いた際、伊藤さんから国内外の九条の碑の存在をメンバーが聞いたこと。「地元にも」と、建立する会を昨秋立ち上げた。賛同人には伊藤さんや、東京大名誉教授で「9条地球憲章の会」代表の堀尾輝久さん、元文部科学事務次官の前川喜平さんらが名を連ねた。
 会見で、建立する会の大滝慶司共同代表(足立区労連議長)は、「若い人に訪れていただき、憲法、平和と戦争を考える場にしてほしい」と強調。中田好美事務局長(千住九条の会事務局長)は、「全国の九条の碑のある地域と交流ができれば」と、建立後の展望を示した。

記者会見で、デザインの意図などを話す吉田錦次さん(中)=足立区で

 会見には、伊藤さんも出席し、スペイン領カナリア諸島や、トルコ、沖縄県、埼玉県春日部市など、国内外二十数カ所に九条の碑がある状況を説明。足立の碑について「大都市では初めて。福岡、大阪、名古屋にはない」と語った。
 建立する会では建立費用を賛同者や団体から募っており、三百万円を目標としている。うちクラウドファンディング(「キャンプファイヤー」「九条の碑」で検索)で半分の百五十万円を集める計画。問い合わせ、募金の申し込みは、中田さん=電090(6953)7144=へ。 

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧