<新型コロナ>「五輪 途中でも中止」考慮を 組織委の専門家会議座長・岡部さん、感染急増で

2021年7月31日 06時56分

市の対策本部会議後に記者団の取材に応じる岡部信彦さん=市役所で

 内閣官房参与で東京五輪の大会組織委員会の専門家会議の座長も務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長が三十日の市議会健康福祉委員会に出席し、コロナ禍の五輪開催について「大きな大会の真っ最中に世界を揺るがすような感染症が出てきた場合、途中でも中止するという判断を、考慮の中に入れておくべきだ」との考えを明らかにした。(安藤恭子)
 岡部さんは二十五日のフジテレビの番組で「入院できない状況がたくさん見られる所では、大会の中止は視点に入れるべきだ」とし、判断基準として「分かりやすさで言えば(第四波の際の)大阪のような状況が出てきた」場合としていた。同委で発言の趣意を問われた岡部さんは、人が一カ所に集まる「マスギャザリング」と感染症リスクに触れ、今後の医療提供体制に与える影響を危ぶんだ。
 この日の市対策本部会議後、記者団からパラリンピックの中止可能性についても問われ「結論を出すまでには幸い時間がある。会場も選手も大会規模はパラの方が小さくなるが、選手の世話や移動にかかる関係者は多くなる。五輪とは別の視点で運営を考えないといけない」と見解を述べた。
 また川崎市の新規感染者数は四連休後、首都圏の感染拡大と連動する形で急増している。三十日現在の入院患者数は百四十五人。中等症以上の患者を受け入れる市内の病床使用率は五割程度というが、岡部さんはこの日の委員会で「市内の死者や重症者の割合は低い状況だが、感染者の母数が増えれば亡くなる方も当然増える」と懸念した。
 田崎薫保健所長も市内の自宅療養者数が約二千人となり、この一週間で倍増したことに触れて「東京都内では人工呼吸器をつける子も出ていて、四十〜五十代の基礎疾患のある人の感染で医療が逼迫(ひっぱく)している。日々変わる台風の予報と同じで、川崎市も明日は安心できない」と危ぶんだ。
 市民のワクチン接種については高齢者のおおむね八割が七月中に二回接種を完了する見通し。十月までに市の接種で約百五十四万回、これとは別に職域接種で約三十万回とする接種見込みも報告された。

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