アーチェリー古川高晴、「平常心」で団体に続き個人戦でも銅メダル ロンドン銀と合わせ3個目 

2021年7月31日 21時00分
男子個人3位決定戦 台湾選手を破り銅メダルを獲得した古川高晴=いずれも夢の島公園アーチェリー場で

男子個人3位決定戦 台湾選手を破り銅メダルを獲得した古川高晴=いずれも夢の島公園アーチェリー場で

  • 男子個人3位決定戦 台湾選手を破り銅メダルを獲得した古川高晴=いずれも夢の島公園アーチェリー場で
  • 男子個人で銅メダルを獲得した古川
 東京五輪のアーチェリー男子個人は31日の3位決定戦で、古川高晴(近大職)が湯智鈞とうちきん(台湾)を7―3で下して銅メダルを獲得。2012年ロンドン五輪個人の銀、今大会団体の銅に続き3個目のメダルとなった。

◆喜びより「感謝」

 同一大会で2個のメダルを取るのも、通算で3個のメダルを獲得するのも、日本初の快挙。歴史を塗り替えたその瞬間、古川は喜ぶ前に帽子を取ってコーチや仲間に深く頭を下げた。「多くの人の支えと応援のおかげ。うれしさより、感謝の気持ちが先だった」
 苦しみとともに幕を開けた5度目の五輪だった。競技初日、23日の予選ラウンド。64人中の46位に沈んだ。大会直前に落とした調子が戻りきっていなかった。
 6月、海外勢との実戦機会を求め韓国に渡ったことが逆効果になった。貴重な試合感覚を得られたものの、帰国後2週間の隔離生活を強いられた。本来、圧倒的な練習量で状態を上げていくタイプ。制限された生活の中で、自分の射型を見失った。
 救ったのは近大の山田秀明監督と韓国代表として金メダルを獲得した金清泰コーチ。離れた場所にいる古川の恩師たちに何度も連絡を取り合い、フォームの改善点について教えを請うた。少しずつ状態は上向いた。

◆出場だけで満足だったアテネから5大会

 アテネ大会は五輪初出場に浮かれ、出場だけで満足した。続く北京大会は逆に気持ちを入れ込みすぎた。努めてリラックスしたロンドン大会で初めて銀メダルをつかみ、リオ大会は連続メダルへの周囲の期待に気持ちが乱れた。36歳のベテランは最適解は平常心だと知った。
 この日の3位決定戦。時折、感情を表に出す対戦相手と淡々と的に向き合う古川は対照的だった。先行し、並ばれ、再び引き離す。第5セットの3射目。10点を取れば勝利の場面でも「メダルへの意識はまったくなかった。とにかく自分のタイミングで打つことだけ」。無欲の矢は、吸い込まれるように的の中心を射抜いた。(多園尚樹)

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