「骨抜き」のプレーブック、相次ぐ熱中症、弁当の大量廃棄…開会後も続く五輪の混乱

2021年7月31日 19時42分
 東京五輪は31日、17日間の日程の折り返しを迎えた。新型コロナウイルス感染症のためほとんどの会場が無観客となり、感染防止や暑さ対策では運営の混乱が続き、アスリートの奮闘に水を差す。国際オリンピック委員会(IOC)は、テレビの視聴率や会員制交流サイト(SNS)での注目度を強調し、盛り上げに必死だ。(原田遼)
 31日に発表された選手・大会関係者の新型コロナ検査陽性者は21人で、7月1日からの累計で246人となった。選手は26人で、選手村で懸念された大規模なクラスターは発生していない。
 陽性者は宿泊療養施設で隔離され、入院はこれまで3人。今後さらに増えれば、都内の感染急拡大で逼迫する保健所や病院に負担をかけることになる。
 その予防策となるはずの行動規範「プレーブック」は「骨抜き」と言ってよい状況だ。組織委は31日、観光目的で外出した選手村在住者の大会参加資格証を剝奪したことを発表。しかし選手か関係者かをはじめ、人数や国籍、国内滞在日数、無断外出した方法なども組織委側からは明かさず、剝奪後の違反者の行動については「掌握していない」(高谷正哲スポークスパーソン)。前提だった「安全、安心」のための情報公開に後ろ向きだ。
 競泳などの会場では、選手やコーチらがスタンドで密になって自国選手を応援し、マスクを外して大声や指笛を発する姿も見られる。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長も柔道会場でマスクを外して指示する様子が報道された。検査で陽性とされた大会関係者2人が療養施設を無断で抜け出したことが30日に発覚するなど、連日の違反が続く。
 組織委が自信を持っていた暑熱対策も不十分。28日にテニス選手が試合中に熱中症で動けなくなり、翌日、競技開始が午前11時から午後3時に変更された。全競技を通じてスタッフの熱中症も約20人が報告されている。
 開会式では、過去のいじめなどで演出担当や出演者らの退任が相次いだ。当日活動したボランティア用の弁当4000食が食べられずに廃棄されるなど、各会場で食品ロスも発生し、多様性や持続可能性を重視した五輪精神の欠如が問題視されている。
 IOCのアダムス広報部長は連日の定例記者会見で「日本で1億1000万人がテレビを見ている」「世界では50億人が今大会を視聴する見通し」と注目度の高さをアピールした。

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