「増えたのは巡回する警察官ぐらい…」期待外れの五輪効果 セーリング会場・江の島<ルポ・コロナ禍のオリンピック>

2021年8月1日 07時17分

セーリングを一目見ようと集まった人たち

 東京五輪のセーリング競技が、藤沢市の江の島ヨットハーバーで開かれている。会場がある江の島は観光地として知られるが、新型コロナウイルスの影響で無観客開催となったこともあり、客足は増えていない。観光関係者からは「熱気が欠けている」「恩恵はない」との声が漏れた。(酒井翔平)
 青空が広がった三十一日、江島神社の参道では食べ歩きや買い物を楽しむ観光客の姿が見られた。展望台には海上の競技の様子を眺めようとする人たちもいた。一方、競技会場周辺には大勢の大会関係者や警察官が警備に当たり、物々しい雰囲気に包まれていた。
 開催に伴い、八月五日まで交通規制も実施。一般車両の島内への通行が規制され、観光客の多くは島外の駐車場や最寄り駅から徒歩で移動している。
 江の島振興連絡協議会の湯浅裕一会長(70)は「若者がほとんどで、お年寄りや家族連れが少なくなった。通常よりも人出は減っている」と規制の影響を語る。「競技会場として江の島の名前が知られれば、宣伝効果は計り知れない」と将来的な効果を期待していた。
 「観光客が行き交う参道周辺と、警備体制が厳しい競技会場は別世界のようだ」と語るのは、参道入り口で土産物店を営む二見将幸さん(52)。「観光客の多くは、セーリング会場になっていることも知らないと思う。せっかく目の前で開催されているのに、島全体で熱気を感じられないのは残念だ」と語った。
 島外でも状況は同じだ。島から一キロほど離れた商店街で、土産店を営む六十代の女性は「増えたのは巡回する警察官ぐらいで売り上げは伸びていない。期待してたけど、五輪効果はないですね」と苦笑した。
 江の島は「まん延防止等重点措置」の対象区域で、酒類提供の終日停止などで飲食店に影響が出ている。さらに県内では八月二日から三十一日まで緊急事態宣言が発令される。二見さんは「より強いメッセージで、出掛けづらい雰囲気になってしまうのでは」と影響を懸念した。

江の島の参道を歩く観光客ら。島内への交通規制の影響もあり、人出は通常よりも少ないという=いずれも藤沢市で


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