<国吉好弘の埼玉NOW>五輪・男子サッカー 光る、ベテランの支え

2021年8月1日 07時19分

日本−フランス 前半、チーム2点目のゴールを決め、喜ぶ酒井宏樹選手。左はGKベルナルドニ選手=日産スタジアムで

 コロナ禍で開催への賛否渦巻く中始まった東京オリンピックは、日本選手のメダルラッシュに沸いている。サッカーも、男子がメダル獲得へ、期待の膨らむ戦いを繰り広げている。
 本稿執筆時点では三十一日夜に行われる準々決勝の結果は分かっていないが、グループリーグは3戦全勝し、A組首位で突破を決めた。全勝は全4グループで唯一。
 南アフリカとの初戦は、久保建英(レアル・マドリード=スペイン)のゴールで1−0と辛勝。埼玉スタジアムに優勝候補のメキシコを迎えた第2戦は、序盤からペースを握り、久保のゴールと、相馬勇紀(名古屋)のドリブル突破から得たPKを堂安律(PSVアイントホーフェン=オランダ)が決めて2−1で競り勝ち、第3戦ではフランスを久保の3戦連続ゴールなどで4−0と退けた。
 今回のチームには、久保や堂安、冨安健洋(ボローニャ=イタリア)ら海外でプレーしA代表にも選ばれている選手や、田中碧(川崎→デュッセルドルフ=ドイツ)、上田綺世(鹿島)らJリーグで活躍する若いタレントがそろい、期待されていた。
 さらに、吉田麻也(サンプドリア=イタリア)、酒井宏樹(マルセイユ=フランス→浦和)、遠藤航(シュツットガルト=ドイツ)のオーバーエージ3人の存在が、チームを引き締め、若い選手をのびのびプレーさせている。3戦で失点1とディフェンスが安定しているのは、彼らの活躍に負うところ大だ。
 3人ともA代表でもレギュラー。両チームのキャプテンを務める吉田はオリンピックは北京、ロンドン大会に続く3回目の出場。戦いの術(すべ)を心得て、強いリーダーシップも持ち合わせる。ドイツ、フランスで9シーズンプレーし今夏浦和に加わった酒井は、右サイドバックとして相手の攻撃の鍵となる選手を封じ、効果的な攻撃参加でチームを活性化させている。フランス戦では判断良く攻め上がり貴重な2点目を挙げた。
 2016年から18年までレッズでプレーしドイツへ渡った遠藤は、同国で1対1の争いにおける勝率でトップにランクされた力を遺憾なく発揮。中盤でボールを奪い、確実に前線へつなぐ。コンビを組む田中との連携もスムーズで、堅実かつダイナミックにチームを動かす。彼らが6月初めから合流し、テストマッチを数試合こなせたことも大きい。日本開催のため所属クラブが譲歩した面はあるだろうが、日本協会の交渉が功を奏した結果と言える。
 準々決勝の相手はニュージーランド。油断はならないが、総合力で日本が上回っていることは確か。チームに浮ついた様子はなく、取りこぼしはないと信じている。期待を込めて見守りたい。
 なでしこジャパンこと女子代表は、グループリーグを1勝1分け1敗の3位で辛くも勝ち上がったが、準々決勝でスウェーデンに1−3で敗れ、力尽きた。今大会では浦和レッズレディースのGK池田咲紀子、DF南萌華、MF塩越柚歩、FW菅沢優衣香も出場機会を得て奮闘したが、メダルには手が届かなかった。攻撃の最後の局面で、積極性とアイデアに欠けたことが残念だった。

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