次の50年へ板倉造りで改修 原爆の図丸木美術館の新館計画 内部にスギ材/現在の鉄骨利用

2021年8月1日 07時20分

内部にスギ材を使う「板倉造り」を採用して館内全体を収蔵庫にする構想(原爆の図丸木美術館提供)

 東松山市の原爆の図丸木美術館は、美術館の全面改修プランを発表した。同時に寄付者の数や名前が館内の壁画に描かれる「ドナーウォール」プロジェクトも始まった。
 原爆の図(全十五部)は故丸木位里・俊夫妻が一九五〇〜八二年にかけて共同制作した。六七年に開館した同美術館は十四部を保管・展示している。同美術館は傷みの進む作品の保存のため、新館建設を目指し、二〇一七年に「原爆の図保存基金」を設立して建設資金を募っている。
 公開された新館プランは、筑波大名誉教授で建築家の安藤邦広さんの設計。現在の建物の鉄骨をそのまま利用して、内部にスギ材の「板倉造り」の建物を建てる計画。スギの厚板を使う板倉造りは断熱性と調湿性に優れ、建物全体を収蔵庫にする構想という。
 東北地方と九州のスギ材のほか、外壁に貼る天然スレートは東日本大震災の津波で被災した家屋の屋根材を活用。東日本大震災と九州の豪雨被害の復興の象徴にする。
 一階廊下のドナーウォールにはアーティストの山下アキさんが、メタセコイアの木と美術館の上を飛ぶハトの群れを描く。メタセコイアの実が寄付者の人数を表し、ハトには十万円以上の寄付者の名前がアルファベットで押印される。
 基金は目標額三億円に対し、六月末現在で約一億七千万円。美術館専務理事で学芸員の岡村幸宣さんは「生まれ変わった美術館で次の五十年、原爆の図を残していきたい」と話している。(中里宏)

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