<新型コロナ>首都圏から観光客「地元民として怖い」 静岡県、時短要請 下田、沼津に試練

2021年8月2日 07時55分

飲食などを楽しもうとする観光客らの姿も見られた市街地=7月31日、熱海市で

 夏の観光シーズン真っ盛りの中、静岡県内で新型コロナウイルスの感染者が31日、過去最多となった。感染が拡大している首都圏から多くの人が訪れる県東部では不安の声が出ている。県が営業時間の時短要請を行った下田、沼津市では、先が見通せない不安が飲食店主らに改めて広がった。(高島碧、木造康博、山中正義、広瀬美咲)
 「さらにお客さんが来なくなるかもしれない」。沼津市の居酒屋「楽酒房(らくしゅぼう)みのり」のオーナー高岡圭司さん(45)は、ため息をついた。二十八日からは県が要請した午後八時以降の営業、午後七時以降の酒類提供の自粛に従った。客数は前週比で二〜七割減った。「一年以上苦しい思いをしている。少しでも売り上げがほしいのに」
 下田市で海の景色を売りにする旅館の男性従業員は「お客さんは来ないと困るが、これ以上感染者が増えると、下田・伊豆の医療体制では抱えきれない」と不安を口にする。海水浴などで首都圏から多くの観光客が訪れるのは、「地元の住民としては正直怖い」と打ち明ける。
 熱海市。親戚に会うため訪れた東京都の女性会社員(43)は「親戚に教えてもらった店にしか行かない」と感染防止策をとっていることを強調。土石流災害の復興に少しでも役立てばと「コンビニで募金した」と話した。
 富士市の道の駅富士川楽座の担当者は「お客さんに来ていただかないと生業が成り立たないが、ぜひ来てくださいとは言いづらい」と複雑な心境を明かした。
 富士川でラフティングやサップなどのアウトドアアクティビティーツアー会社の担当者は「こういう状況でも、生きていくために営業するしかない」と話す。
 例年四〜六月は修学旅行シーズンで四百万円ほどの売り上げを見込むが昨年、今年はほぼゼロ。八月の予約キャンセルも出始めた。「今年こそはと踏ん張ってきたが、国や県の支援策は不十分。観光業は目を向けられていない」と嘆いた。

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