熱海土石流 がれき仮置き場、市内増設へ 市長方針 現在2カ所、容量不足懸念

2021年8月2日 07時56分
 熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害で、斉藤栄市長は一日、被災地のがれきや土砂を運び込む仮置き場を、市内で新たに増やす考えを示した。市内の仮置き場は熱海港と旧小嵐中学校グラウンドの二カ所あるが、容量不足が懸念されていた。(佐野周平、山中正義)
 斉藤市長は「基本的には(仮置き場を)市内でまかなう方向で調整している」と話した。新たな候補地をリストアップしているという。今後想定される土砂やがれきの量を試算した結果、「何とか市内だけでいけるかもしれないという感じ。想定以上が出た時に初めて市外を考えることになる」との見通しを示した。
 一方県は一日、被災者に提供する公営住宅の見学会を開催、八人が参加した。家賃を免除する形で県営、市営住宅計四十四戸の入居募集を受け付けており、入居できる期間は二年間程度を考えているという。
 市は七月三十一日、捜索活動の拠点としてきた区域や、ライフラインが未開通のため生活困難だった区域の大部分を立ち入り可能とした。被災の程度がひどく、二次災害の危険などがある立ち入り禁止区域も国道135号の海側などで一部解除。計約四十軒が帰宅可能となった。
 一方、立ち入り禁止区域では、二次災害の可能性を考慮し、立ち入ることはできるが居住は困難とする「特定建物」に新たに十五軒を指定した。
 避難者は一日正午現在、ウオミサキホテルへの避難者が自宅に戻るなどで前日に比べ二十人減り、「熱海金城館」と合わせて三百三人。
 捜索では自衛隊災害派遣部隊が七月三十一日に撤収。一日は消防や警察が総勢約五百人で捜索したが、新たに見つかった人はいなかった。死者は二十二人、行方不明者は五人。

◆熱海マリンスポーツクラブ・大久保さん 4日、無料シュノーケリング教室

大規模土石流で被災した子どもを対象に無料シュノーケリング教室を開く大久保衛さん=熱海市で

 大規模土石流の被害に遭った熱海市で「熱海マリンスポーツクラブ」を経営する大久保衛さん(62)が、被災した子どもを対象に無料のシュノーケリング教室を開く。土石流被害で海開きも花火大会も中止に。「夏の楽しみを失った子たちを元気づけたい」と意気込んでいる。
 小さなアオリイカの赤ちゃん、鮮やかな青色のソラスズメダイ、黄金色のチョウチョウウオ…。伊豆山港に流れ込んだ土石流の影響で茶色く濁った海も少しずつ透明度を取り戻し、店近くの海岸では多くの生き物が見られるようになった。
 大久保さん自身も被災した。自宅のそばまで土石流が押し寄せ、周辺一帯が立ち入り禁止区域に。避難所となった市内のホテルで過ごす時間が増え、同じように退屈そうにしている子どもたちの姿に、教室の開催を思い付いたという。
 大久保さんは東京都出身。ほれ込んだ熱海の海に三十五年以上前から通い、五年ほど前に移住した。「自分がこの土地のためにできることはこれくらいしかない」
 シュノーケリング教室は四日に開催予定。被害に遭った伊豆山地区に住んでいる小学生以上が対象で、小学生は保護者と一緒に参加することが条件。問い合わせは大久保さんの携帯電話=電090(3062)1770=へ。

関連キーワード

PR情報

静岡の新着

記事一覧