<ルポ・コロナ禍のオリンピック>観客から不安の声 伊豆で自転車トラック競技始まる 海外メディア取材に戸惑いも

2021年8月3日 07時55分

観客を乗せ伊豆ベロドロームに向かうシャトルバス

 静岡県内を会場とする東京五輪で、最後となる自転車トラック競技が二日、伊豆市の伊豆ベロドロームで始まった。日本選手のメダル獲得が有力視され、八日まで十二種目が行われる。観客からは熱戦に期待の声があがる一方、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の拡大、県内感染者が急増する中での有観客開催に、不安も漏れていた。(渡辺陽太郎、篠塚辰徳、八手亦和人)
 会場へのバスが発着する伊豆市の伊豆箱根鉄道修善寺駅。観客は正午ごろから集まり始めた。長泉町の七十代夫婦は「一生に一度の五輪の雰囲気を楽しみたいが感染が不安。楽しいことに集中できないね」。観戦のため三島市に滞在している仙台市のアルバイトの男性(63)は「不安だが、ワクチンを二回打ったので大丈夫かなと」と話した。
 観客は行列をつくってバスに乗車、観客輸送は問題なく終了した。街が観客でにぎわう様子はなく、駅前で土産物店を経営する七十代女性は「大会には関心がない。ただ感染拡大などで市民に影響が出ないようにしてもらいたい」と話した。

修善寺駅からシャトルバス乗り場に向かう観客の列。一般の人が通る右側は閑散としていた=いずれも伊豆市で

 駅周辺には複数の海外メディアの姿も。あるボランティアは「海外メディアは隔離されると聞いていた。大丈夫なのか」と戸惑っていた。駅南口では、海外選手らが市民と接触しないバブル方式の破綻などを理由に大会中止を訴える団体がおり、海外メディアはそうした動きも取材。英国と中国から来たという二人は「入国から十五日以上経過しており、大会組織委員会から取材の許可を得ている」と話した。
 会場の伊豆ベロドローム。収容三千六百人の座席は半分近くが埋まった。序盤の二日間は男女ともに日本人選手の出場がない。横浜市から訪れた会社員の木根理恵子さん(40)は「感染者が増えると五輪が中止になると思いずっとステイホームしてました。私にとってきょうの観戦は不要不急ではありません」と強い意思を感じさせた。
 時折、響き渡る声は各国のチーム関係者の選手への激励とアドバイス。観客席からの声援はなく、世界新記録が計時されると盛大な拍手が沸き起こった。
 会場のあらゆる場所に消毒液が設置され、長蛇の列ができたグッズ売り場では前後の間隔をしっかりと守って並ぶ姿があった。「全て指定席です。並んで座っているのは家族やグループ。会場の半数のみの入場者ですが、もし密になっていたら移動してもらうように声をかけてます」。案内係は話した。

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