英国 コロナ規制撤廃後に感染減少傾向 夏休み、サッカー欧州選手権閉幕が影響か

2021年8月3日 19時26分
 【ロンドン=藤沢有哉】英国で7月中旬に新型コロナウイルス対策の規制がほぼ撤廃された後、感染者数が当初の増加予測を覆し、減少傾向となっている。学校の夏休みやサッカー欧州選手権の閉幕などが要因とみられるが、専門家からは驚きの声も上がっている。ただ、規制撤廃の影響は今週から出始めるとの見方もあり、政府高官は「確かな傾向は今週末までは分からない」と慎重姿勢だ。

英ロンドン中心部で7月19日夜、バーやナイトクラブがある一帯はにぎわった=藤沢有哉撮影

 英政府は7月19日、国民の8割超が住むイングランドで、マスク着用義務や社会的距離の確保といった規制を撤廃。ただインド由来の変異株「デルタ株」が猛威を振るい、撤廃直前の1日当たりの新規感染者数は約5万5000人だった。政府は今夏に10万人に達する恐れがあると警告した。
 だが、感染者数は同21日から7日間連続で減少となり、8月1日までの1週間は2万~3万人前後で推移。2日も約2万2000人で、2週間前の規制撤廃日から45%減った。

◆長期的な予測は困難

 英メディアによると、オックスフォード大のジェイムズ・ネースミス教授(構造生物学)は「私を含む多くの科学者が規制撤廃後の感染者増加を予測したが、間違っていた」と驚きを隠さない。一部の科学者はワクチン接種の普及などで「集団免疫獲得に非常に近づいている」と主張。一方で減少要因として多く指摘されるのは夏休みの影響だ。
 子どもや若者が集団で接触する機会が減ったことに加え、学校などでの定期的検査も休止し、規制撤廃日は100万件超だった検査数が、最近では80万件を下回る日も目立つ。さらに、スタジアムやパブに人々が集まったサッカー欧州選手権が7月中旬に閉幕したことや、濃厚接触者として大勢が自主隔離を求められたことも理由に挙げられている。
 英紙ガーディアン(電子版)によると、政府に助言する科学者グループの一人は、規制撤廃の影響が出始めるのは8月第1週からとし、「今後数カ月、感染者数のピークと減少が何度もあるだろう」と予測。別のメンバーは「現段階では不確実性が多く、何が起きたのか、長期的に何が起きるのかを理解するのは困難」とし、夏休み明けの感染者増に警戒感を示した。

関連キーワード

PR情報

国際の新着

記事一覧